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第三章・4

 一通り体をシャボンだらけにしてしまうと、徹は樹里に命じて来た。 「スポンジはもういいから、今度は君での体で洗ってくれ」 「え?」  こうやって、と徹は樹里の体を引き寄せた。  身体と身体を密着させ、滑らかな泡に沿って動く。 (あ、ヤだ。気持ちいい……) 「さ、動いて」 「あ。は、はい」  樹里は背後から徹の体にすがりつき、手足を使って泡を伸ばした。 「手足だけじゃなく、体全体を使って」 「はい」  胸を、腹を徹の腰に沿わせて動く。 「今度は、前も」  そう言うと、徹はタイルの床にごろんと仰向けに寝そべってしまった。  一瞬ためらった樹里だったが、ソープを充分に泡立てて、徹の体に乗せた。  そして、その上から自分を被せていった。

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