27 / 105
第三章・6
徹の腰突きは、樹里を狂わせた。
「あ、あぁ! んあ、あ、ヤっ、ダメ、ですぅッ!」
ダメと言いながら、徹に併せて腰が勝手に動いてしまう。
卑猥に波打ち、擦り付けてしまう。
「あ、もう! もう、ダメ。あぁ、あ。ご、ごめんなさいぃ!」
とうとう樹里は、勢いよく徹の腹に精を吐いてしまった。
「ははは。樹里くんの負けだ」
「ンうぅ……。ごめんなさい……」
ひくひくと震える身体を、徹は優しくシャワーで流してくれた。
「楽しかったよ。さ、君は先に上がりなさい」
「はい……」
徹宅にもう一つ設けられたバスで、樹里は体を流し髪を洗った。
「恥ずかしい……」
思い返すと、顔が赤くなった。
素裸で身を絡ませ合い、性器を擦り付け合って……。
「僕だけ、イッちゃうなんて!」
僕は、綾瀬さんに尽くすために今ここに居るというのに!
「でも……」
でも、あんな優しいプレイは初めて。
いつも、前戯も無しに貫かれていた弟とのセックスとは大違いだ。
シャワーで流してくれた、徹の優しさを噛みしめた。
無理に犯しに来なかった彼の優しさを、抱きしめた。
ともだちにシェアしよう!