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第三章・6

 徹の腰突きは、樹里を狂わせた。 「あ、あぁ! んあ、あ、ヤっ、ダメ、ですぅッ!」  ダメと言いながら、徹に併せて腰が勝手に動いてしまう。  卑猥に波打ち、擦り付けてしまう。 「あ、もう! もう、ダメ。あぁ、あ。ご、ごめんなさいぃ!」  とうとう樹里は、勢いよく徹の腹に精を吐いてしまった。 「ははは。樹里くんの負けだ」 「ンうぅ……。ごめんなさい……」  ひくひくと震える身体を、徹は優しくシャワーで流してくれた。 「楽しかったよ。さ、君は先に上がりなさい」 「はい……」  徹宅にもう一つ設けられたバスで、樹里は体を流し髪を洗った。 「恥ずかしい……」  思い返すと、顔が赤くなった。  素裸で身を絡ませ合い、性器を擦り付け合って……。 「僕だけ、イッちゃうなんて!」  僕は、綾瀬さんに尽くすために今ここに居るというのに! 「でも……」  でも、あんな優しいプレイは初めて。  いつも、前戯も無しに貫かれていた弟とのセックスとは大違いだ。  シャワーで流してくれた、徹の優しさを噛みしめた。  無理に犯しに来なかった彼の優しさを、抱きしめた。

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