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第三章・7

 先にお風呂から上がったのは、樹里の方だった。 「寝る前に、お酒とか召し上がるかな」  だったら、僕が準備しておかなきゃ。  そう思った樹里は、リビングへ向かった。  チェストには、ありとあらゆる高価そうな洋酒が並んでいる。 「どれがいいんだろ」  すでに開いているボトルの栓を外して、その香りを試していった。  強烈な刺激臭のあるものを避け、中でも一番マイルドな芳香の洋酒を選んだ。  次は、グラスだ。  これまた色んな形のグラスが、ずらりと並んでいる。 「寝る前だから、ちょっぴりにしてもらおう」  そこで、中でも一番小さなものを選んでトレイに乗せた。  ソファのローテーブルにそれらを用意して待っていると、バスローブを纏った徹がようやく現れた。 「寝酒の準備をしてくれたのか。気が利くな」 「ありがとうございます」  

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