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第五章・6

「さて、樹里はどんな買い物をしたのやら」  彼のことを思うと、柄にもなく胸がわくわくしてきてしまう。  泣く子も黙る綾瀬組の組長が、一体どうしたことか。 「いかん、いかん」  深入りはしない。  そう心に決めて、これまで様々な男や女を囲ってきたはずだ。  どうせ奴らは、最終的には飼い主を裏切るものだから。  一つ咳ばらいをすると、徹はカードキーを滑らせた。  ドアが開き、室内は真っ暗……、のはずだった。  樹里には、先に寝るように伝えておいたのだから。 「おかえりなさい!」  考える間もなく、樹里が駆けて来た。  スーツ姿の樹里は髪形も整え、すっかり垢抜けている。 「……驚いたな」 「カッコいいですか、僕。綾瀬さんの隣に居ても、恥ずかしくないですか?」 「恥ずかしいどころか、むしろ誇らしいよ」

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