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第六章・7

「悪い子だ。もうこの味を覚えたか。ん?」 「んうぅ。綾瀬さん……ッ」  大きく息を弾ませる樹里を休ませるように、徹は穏やかに腰を使った。  しかし穏やかに、ではあるが、責め立てていることに変わりはない。  樹里はすぐに、見悶えるようになった。 「お願いです。もう、もう……ッ」 「もう、やめて欲しい、かな?」 「ち、違います!」 「じゃあ、何だろうな。教えてくれ」  樹里は、真っ赤になった。  綾瀬さんは意地悪だ!  僕が欲しいもの、解ってるくせに!  だが徹は素知らぬ顔をして、緩慢に動いている。 「う、ぅん。あ、はぁ、はぁ、あぁ。ふぅ、うんッ」  ちりちりとくすぶる樹里の種火は、燃え上がる炎を待っている。 「綾瀬さんッ! 僕の、僕の内に……、出してくださいぃ!」 「やっぱり樹里は、悪い子だ」  徹の激しい抽挿が、再び始まった。

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