63 / 105

第八章 徹の変化

 もう、かすれてしまった樹里の声が、高く上がった。 「んあぁ、あ! 綾瀬、さぁあんッ!」  体内に注ぎ込んだ徹の精が、樹里をさらに狂わせていた。 「どうだ、樹里。満足したか!?」 「まだ、まだ欲しいぃ! 綾瀬さん、もっと、もっとおぉ!」 「私も、そのつもりだ!」  さらに力強く、徹は樹里を揺さぶった。  ローションを加えるまでもなく、後膣は徹の吐いた体液で充分潤っている。  ぐちゃぐちゃと音を立てながら、激しい抽挿を繰り返した。  まるで10代の少年に戻ってしまったかのように、貪欲に樹里を求めた。  そんな徹の腰突きに併せて、樹里の身体も卑猥に波打っている。  腰を突き上げ、背をくねらせ、全身で徹の愛を貪っている。 「は、あぁあん! あぁ、あ。凄い、凄く、気持ち、悦いぃい!」 「樹里、これがお前の本性か!」  身体から溶け零れる、濃厚なΩのフェロモン。  いや、樹里のフェロモンか。  ただのΩでは、こうまで自分が我を忘れることはないだろう、と徹は痺れる思考で感じていた。

ともだちにシェアしよう!