64 / 105

第八章・2

 樹里を突き上げながら、徹は沸き上がる射精感を覚えていた。  両脚を肩に担ぎ上げ、擦り付けるように腰を穿つ。  いつもならば注ぐ時には事前に伝えるところだが、今はもう、その余裕すら失っていた。 「んぁ、はぁ、あぁ。あぁッ、あぁッ、綾瀬、さんッ! 来てぇ、お願いぃ!」  樹里の方から、おねだりされてしまった。  これはもう、吐き出してしまうに限るだろう。  徹の内股が、細かく震えた。  それと同時に、思いきり腰を押し付け射精した。 「あぁあ! はぁああ!」  樹里は、両手で空を掻いた。  綾瀬さん。  綾瀬さん。  応えるように上半身を倒してきた徹の背に腕を回し、樹里は思いきり爪を立てた。  極彩色の昇り竜に、甘い爪痕を付けた。  ぴったりと身体を密着させ、互いの震えを分かち合う。 「綾瀬さぁん、ん……」 「樹里」  長い射精は、なかなか終わらない。  その間中、樹里は吐息を漏らし続けた。  

ともだちにシェアしよう!