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第八章・3
満足しきったような微笑みで眠ってしまった樹里の身体を、徹はていねいに拭き清めてやった。
ペニスを抜くと、かなりの量の精があふれでた。
「抜かずの7発もやったからなぁ」
自分で自分に呆れながら、それも綺麗にぬぐった。
しかし、樹里に呆れることはなかった。
爽やかで、明るくて。
優しくて、控えめで。
そんな樹里の印象に、またひとつ知らなかった魅力が増えたのだ。
まるで、獣だった。
欲情のまま、貪欲に私を貪る美しい獣。
鉄血と謳われる私すら狂わす、淫靡な獣。
時計を見ると、すでに4時を回っていた。
やはり、自分に呆れた。
「私は、5時間もセックスしていたのか」
しかし、疲労感は無い。
むしろ、充実した心地だ。
「さて、明日9時に出社できるか? 樹里」
寝ている樹里の鼻を、軽くつまんで呟くと、徹も横になり瞼を閉じた。
樹里に寄り添い、眠りに落ちた。
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