86 / 105
第十章・9
「綾瀬さん、もう、もう、ダメです。そのまま、挿れてください」
「久しぶりなんだ。ちゃんと解してから……」
お願い、と蕩けた眼で見つめられると、徹の理性も飛んだ。
すでに硬く張っている自らのものを掴むと、ぎちりとハメていった。
「あぁ、あ! はぁあ、あ! んあぁあ!」
ローションと樹里の体液とで、徹はぬるぬると体内へいざなわれてゆく。
「は、はぁ、あッ。樹里、樹里ッ!」
獣の勢いで、徹は樹里を穿ち始めた。
「ひぁ、あぁんッ! 綾瀬さん! 綾瀬さんッ!」
ぶちゅん、ばちゅんと、粘っこい水音が鳴る。
ぱんっ、ぱんッと、徹が樹里の肌に叩きつける音が響く。
熱い。
ひどく熱い、体温。
無性に恋しい、身体。
無性に愛しい、魂。
樹里の心の中は、そんな徹への想いで満ちていた。
徹の胸の内は、そんな樹里への想いでいっぱいだった。
ともだちにシェアしよう!

