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第13話

 月が眩しくて目が覚めた。 「…むぅ?」  台所の床に眠っていたらしい。  起き上がってテーブルを見るとすでに片付けられている。夢だったか?  ぼんやりしていると瞼が自然に落ちそうになるので、何度もしばたいて無理やり立ち上がる。座敷童め。盛りやがったな。  音を立てずに移動して、例の押し入れをそっと開ける。棚にのぼって、天袋の板に触れると動くところがあった。首を突っ込んでみる。歯ブラシ、タオル、コップにカミソリ、ハンドクリームがきれいに並んでいた。横を向くと奥から光が漏れている。なるほど、隣の部屋につながっていたのか。  音を立てずに棚から降りて、廊下を進む。扉を壊してしまったから、移動手段がなくなってしまったのか。壊れ…壊した取っ手を眺めて、蝶番の位置を確認し、強く一気に押した。  バン!  面白いほど一発で扉は壊れ、反対に開いて壁に寄りかかって止まった。  部屋の隅、スタンドライトで本を読んでいた座敷童が、茫然と見上げる。 「…おかしいな。朝まで熟睡するはずなのに」 「ん? 俺、薬はあんまり効かない体質なんだよね」  言いながらゆっくりと距離を詰める。座敷童は本を閉じて身構えるように膝を引き寄せた。大股で右足を出すと躱すように左へ。フェイントは成功し、左腕で座敷童を捕らえた。 「朝まで眠らせて、また仕事行けって蹴り飛ばすつもりだったわけ?」  腕を掴んでこちらを向かせるが、座敷童は目を合わせないように、顔をそむける。白い首筋が綺麗だ。Tシャツの襟をひっぱると両手で一気に裂いた。 「乱暴者!」  裂いた裾をぎゅっと引っ張って背中に持っていききつく縛る。肩にかかったTシャツの残骸を丸めるように肘までずらすと、両手は背中で自由を失う。生まれたままの姿を徳重に晒すことになった。 「あははぁ。…なんでパンツ盗まなかったの?」 「……どれが新品かわからな…っ…」  記憶に新しい、内股の柔らかいところを撫でる。この脚で腰を挟まれるところ想像するだけで、ぐっと股間が盛り上がる。  シャツ越しに見えた乳首が、今は丸見えになっている。形がいい。触れようと手を伸ばした瞬間、光が消えた。座敷童がスタンドライトを蹴ったのだ。床に転がって、ヘッドが揺れ明かりは徳重の顔から天井への往復をした。 「てめぇ…」 「……めて」  言いかけて遮られた。 「せめて、風呂入ってからにしてくんない?」  思えば泥だらけだ。奴の身体の隅々まで舐めまわしたい気分だが、自分の泥だらけの手や、汗で汚したところを舐めるのは確かに…。だが…。 「今度は逃がすわけにはいかねぇ」  座敷童の膝にのってとりあえず、動けないようにする。ポケットを探ると昼間、ヨシさんちでくすねたものが出てきた。紐状に丸まったものを開く。僅かな光で網状になった面を広げてみせた。 「いわゆるミカンネットの開発してるらしくてね。ちょっと丈夫でちょっと収縮性が強い」  オクラは緑、ミカンは赤、色味をよく見せる意味もあるネット。この明るさでは色はわからないが確か白かった。わすかに見える座敷童の胸元に、手を広げてネットを押し付けた。ネットに乳首をとらえると指で刺激して突き出させる。 「……!」  擦られて、固くなった乳首の根本に網目が食い込んでいるのが見えた。きゅっと引っ張って確かめると、ぐっと引っ張られ胸が盛り上がる。座敷童が痛そうに顔をゆがめた。 「抜けないね」  グングンとひっぱって、乳首の引っ掛かり具合を確認する。横に引いても上に引いても、突起した固い乳首は簡単に抜けそうもない。引っ張る度に唇を歪める座敷童の反応が楽しい。ネットの端っこを引っ張って、右胸にも同じように乳首を引っ掛けた。両方でひっぱり合ってもげそうだったので、真ん中あたりを少し裂いてやった。 「ぃ…ッ……」  それでも痛みはあるらしい。  さらにポケットからビニール紐を出して、右腕に掛け、勉強机の足に通し、右足の踵に結んだ。 「痛……」  今度は容赦しない。声を上げるまで、紐を引っ張ってたるみをなくす。関節が外れそうな恰好になっているが、少しの時間なら問題ないだろう。  折り曲げられた右足の膝に手を置いて、座敷童を見下ろす。 「…ぅ!」  ネットに爪をひっかけるだけで、息を詰まらせた。今すぐ抱きたい。膝に乗せていた手を滑らせて中央で根本からゆっくり掌に包む。 「…ん……ふっ…」  舌を尖らせて先端を嬲ると、さすがに声が漏れた。満足して手を離す。 「あとで、たっぷり鳴かせてやるから、我慢して待ってろ」

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