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第2話 おねがいききます券 2

震える蓮くんの手には、僕の制服の白シャツとクシャクシャになった『おねがいききます券』が握られている。 僕が遠くから眺めるだけのこの人はいつも飄々としていて掴み所が無さそうで、必ず周りに誰かがいるのに誰のものにもならないような・・・誰も踏み込めないオーラを纏っているって感じで。 こんな風に弱々しい感じには到底見えなかったのに。 顔がいいのは一目瞭然だったけど、僕よりだいぶ背が低かったのも初めて知ったし、男にしては細い手首や間近に見てもキメの細かい肌が何だかイヤラシく・・・ ってオイ! いくら僕が女の子に免疫が無いからって、男相手にムラついてどうすんだ。 蓮くんの頼み事だったら他にいくらでも聞いてくれる人がいただろうに。 ただ向かいの家だってだけで、なにも僕みたいな根暗のメガネにわざわざ縋らなくたって。 だけどこうして震えている様を見ると、きっと悩みに悩んで僕の元へ来たんじゃないかって想像して、どうしても突き放せなくなってしまう。 「わ、わかったよ。女性とも未経験だから上手くできるかわかんないけど、やってみるから。だから離して」 「・・・おう」 僕を解放した蓮くんは、おもむろにボトムスを脱ぎ捨てる。 「わわわっ、いきなりっ!?」 Tシャツにボクサーパンツ姿の彼に、綺麗な顔をしているのにやっぱり男なんだと実感させられる。 そんなに大きくはないけれど股間の膨らみもあるし、そんなに筋肉質じゃないけど柔らかくはなさそうな白い長い脚。 「毛、生えてないの?脚ツルツルだけど」 「んなわけねぇだろ。元々濃くも無かったけど。脱毛行ってんだよ」 「へ、へえ・・・」 それは、『好きな人』とやらの好みに合わせて、ということなんだろうか。相当惚れ込んでるんだな。 「えっとぉ・・・」 まずいな、どうしたらいいのかがわからない。パンツを下げてあげればいいのか、それとも蓮くんが自分で下げるのを待ってればいいのか。 なんて考えている間に自分で下着も脱ぎ捨てベッドに上がり四つん這いになる蓮くん。 ああっ!これが女の子だったら完っ全に引かれてるな、僕。ここはリードしてあげるべき場面だったよな。尻を開発しろと言ってる時点で、蓮くんは抱かれる側を希望してるって事なんだから。 「あの、ごめんなさ・・・」 「いいから早く!そのローションかジェル、穴にぶっかけてそこのオモチャどれか入れてみて!」 「ハ、ハイ!」 ベッドに上がり、突き出された蓮くんの尻と向かい合いローションのボトルを手にする。 蓋を開け逆さにして軽く握ると粘度のある透明な液体が垂れてきて、照準を外したローションが蓮くんの片尻を流れて落ちる。 「・・・っ」 一瞬ビクッと跳ねる臀部がなんだかかわいらしい。 「か、感じてる・・・?」 「アホか!冷てぇの!それよりちゃんと穴にぶっかけろよな、ヘタクソ」 「あぁ・・・ごめん」 今度はしっかりと蓮くんの尻の穴を見ながら慎重にローションを垂らす。 流れ落ちる液体が双丘の間を濡らして、ひくっ と窄まり隠れる入口。いや本来は出口なんだけど。 淡いピンク色で襞のひとつひとつが柔らかそうで、とてもじゃないけど普段ここから排便してるようには見えない。 「蓮くん、ほんとに人間なの?」 「どういう意味だよ。バカにしてんのか」 そんなわけない。ただ、何処も彼処も同じ男と思えないくらい綺麗なだけ。 「とっ、とりあえず、いちばん小さいのから、いい入れてみてくんね?」 「うん」 ベッドの上に転がる大人のオモチャの中のひとつ、一番小さそうな立体スペード型の銀色の物を手に取り蓮くんの窄まりに恐る恐る押し込んでみる。 「ぅあ・・・っ」 きゅうっと双丘が真ん中に寄って震える。 「ごめっ、痛かった!?」 「ちが・・・なんか、きもちわり・・・」 「抜くねっ」 今入れたばかりのそれを慌てて引き抜くと 「い゙っっ!」 丸く拡がった蓮くんの窄まりの中が一瞬見えて きゅっと閉じる。 うわぁ・・・蓮くんの尻の中を見てしまった・・・ 赤みがかった艶々うるうるの濃いピンク・・・ 「おまっ、いきなり抜くなよ!ケツの穴 捲れるかと思っただろ!」 「そんなこと言ったって、どのくらい濡れてるかもわかんないし」 「俺だってわっかんねぇよ!お前見えてんだから、ちゃんと中もローションで潤ってっか確認してくれよ!」 「中まで見えるわけないじゃん」 いや、さっきちょっと見えちゃったけどさ。 「今入れたのより細いの無いんだよな・・・?」 「細いの?あるにはあるけど、親指と比べても結構太いよ」 蓮くんが怯えた顔で振り返り、しくった、と呟く。 指・・・、そうだ。 「ちょっとだけ我慢してね」 僕は自分の手にローションを馴染ませ人差し指を蓮くんの窄まりへ当てる。 「へ・・・なにして・・・っ」 そのまま穴の中へゆっくり差し込むと、蓮くんの内壁がぎゅうっと縮まって僕の指を締め付けてくる。 「わ、すっげーあったかい」 「てめ、なにやってんだよ!きったねえだろ!?男のケツに指入れて気持ち悪くねーのかよ!」 「えっ?」 ああ、そう言われればそうだ。だけど気持ち悪いだとか汚いだとか全然思わなくて、むしろあったかくて気持ちいいくらいだ。 「なんか大丈夫みたい。それにこっちの方が中がどれくらいヌルヌルになってるか分かるし」 「~~~っ、 はあ。まあ奏汰が平気ならオモチャよりだいぶマシだから有難いけど」 「動かしてみるね」 「お、おう」 ゆっくり抜き差ししてみると、ぬちっぬちっ、と卑猥な音がしてすごくイヤラシイ。 指を引く度にビクビクしながら吸い付いてくる内壁。 枕に顔を埋め息を殺す蓮くんが苦しそうで、どうにか楽にしてあげたいという気持ちが湧き上がる。 「蓮くんこっち」 一旦指を引き抜いて、蓮くんを背中から抱え僕はベッドの端に座り壁に寄り掛かる。 後ろから腕を回し片手で彼の肩を抱いて、もう片方の手を股間に伸ばす。 柔らかいままのペニスは、蓮くんが気持ち良くなっていないという証拠だ。男同士のセックスがアナルを使うって事くらい僕だって知っている。でも本当にこんなんで、挿入される方は満足できるんだろうか。 「前も触っていい?」 「や・・・だ。ケツで感じれるようになんなきゃ、意味ねぇ」 「・・・そっか。じゃあローション足してくれる?」 「ん」 そうだよね。蓮くんは別に僕とエッチな事がしたいわけじゃない。あくまでもこれは『開発』なんだから。 モヤッとした気分になりながらも蓮くんが逆さにしたボトルから液体を受け止め、今度は中指を挿入する。

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