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第44話 恋人の定義 2

「蓮くんはどう思ってるの?」 「俺は、別に、奏汰が相手してくれんならそれで。奏汰が飽きるまでは、このまま一緒にいるつもりだけど」 「へ・・・?」 何それ。僕が、蓮くんに飽きるまで?そんなのあるわけないじゃん。 てことは、これはもうプロポーズと受け取っていいって事だよね!? 蓮くんてばクールに見せかけて実はそんな風に思ってくれたの!? 「蓮くん、ぼぼ僕まだ修行中の身だけど、ちゃんと収入もあるし、贅沢はさせてあげれれれないけど、しっしっしっあわせに、するからね!」 あまりに突然なことで緊張して噛みまくってしまった。情けない。 でも嬉しい。すっごくすっごく嬉しいよ蓮くん!! 感動で涙目になる僕は蓮くんを熱い眼差しで見つめる。 そんな僕を心底理解できない、と言うように蓮くんは顰めっ面で「はあ?」とひとこと。 「えっ、なに。何その感じ・・・」 僕なんか変なこと言った? あ、贅沢できないって言ったから? 「ボーナスが出たら少しは贅沢させてあげれるよ? でもやっぱりいざって時のために貯金もしておきたいし、堅実に・・・」 「イヤイヤイヤちょっと待て。どうした急に、何の話してんだよ」 「僕たちの未来の話でしょ。そういう流れだったよね?」 「イヤどう考えてもそっちの流れじゃねえだろ」 えっ、違うの!? 「なんだよ! 期待しちゃったじゃん、もう! 蓮くん酷いよ!」 「は? なんでキレてんの、意味わかんねえ」 意味わかんないのはこっちだよ! そう簡単にいかないよね・・・、うん、わかってる。自分に都合よく捉えたかっただけだよ・・・うん。 僕は感動の涙を悲しみに変え、カレーというよりカリーと呼ぶべき蓮くんの手料理を口へ運ぶ。 「おかわり、いる?」 「・・・ください」 そう言って空になった皿を差し出すと、蓮くんは「へへー」とまた得意顔。 可愛い以外に言葉が見つからなくなる。でもなんだか腹が立つ気もしてくる。 「もお! カリー食べたらデザートは蓮くんなんだからね! 甘さ増し増し大盛りでお願いしますね!?」 僕が蓮くんに飽きるはずが無いって、嫌ってほどわからせてやるから。 「相変わらずキモイな。しかもカリーってなんだよ。 ・・・まあ、・・・甘さ増しのつもり、にするけど」 照れ隠しなのか、おかわりの皿をテーブルに置いた蓮くんは「風呂入ってくる」と言って部屋を出ていく。 甘さ増し、って言ったよね、いま。 ほんと蓮くんってば、僕を落とすのも上げるのも上手過ぎない!? これが惚れてる弱みってやつなんだろうか。 彼のやる事成す事全てが好きで愛おしくなる。胸がきゅうきゅう鳴って苦しくて甘い。どんな蓮くんでも大好きだ。 「れ・・・んくん、あの・・・どうして」 お風呂上がりでボクサーパンツのみ着用の蓮くんが、ベッドに腰掛けた僕のトップスを捲り上げて乳首を舐めている。 なんだこの図。逆でしょ普通、僕が蓮くんの乳首を弄るのが正解なんじゃないの? 「気持ち良くない?」 「う、うーん。良くなくはないけど、・・・微妙?」 蓮くんが攻めてくれるのは萌えるっちゃ萌えるけど、僕の乳首は極めて鈍感らしい。 「こうしたら奏汰が喜ぶ、って五十嵐が」 ろくなこと教えないじゃんあの人。 「う~ん・・・どっちかっていうと舐められるより舐めたいかな、僕は」 「じゃあココも舐めない方がいっか。久しぶりにすんのに、奏汰勃ってねーし・・・」 下げられた目線の先には僕の股間。 「蓮くんの半裸見て勃ってたんだよ、さっきまで!いきなり乳首舐められてビックリして萎えちゃっただけだよ」 「え、そーなの? なんで気持ち良くなんねえの? 」 「個人差あるんじゃない? 蓮くんは乳首弄られるの好きなエッチな体だもんね」 「そんなことねぇし・・・普通だし」 「そう?」 指の背で左の胸を撫でてみると腹筋に力が入ってほんの少しだけ前に屈む蓮くん。続けて右も同じようにすると、油断していたのか「んっ」と詰まった声を出す。 「これが普通、なんだ?」 「ふ、普通だろっ」 そのままスリスリと指を緩く動かすと、すぐにも突起は弾けそうなほど小さく張り詰める。 「そっか。普通はこんなに乳首コリコリに勃起しちゃうんだ? ・・・ねえ、ひとりでする時もこうなっちゃうの?」 「う・・・っ、触・・・てないから、しらね」 「きっと立ってると思うよ。自分で触ってみて、ほらこうやって」 「あ、オイ・・・っ」 蓮くんの手を掴んで胸に持って行って突起を触らせると真っ赤にした顔で俯いて、最初は躊躇っていたものの、すぐに自分の手に重なった僕の手に従って突起を撫でる。 気持ち良いことに体はこんなにも素直なのになぁ。 「ぅ、・・・んぅ」 「五十嵐さんには、ハグされてるだけなんだよね?」 『だけ』で済まされる案件でもないけど、僕も護身術や柔道やる時は男女関係無くそんなみたいなもんだから強く言えないし。 「うん。相当ヘコんでたっぽいから、俺はヤッてもいいっつったんだけど『もっと自分を大事にしろ』って怒られた」 「は!?」 ヤッてもいいって、セックス!? は? 五十嵐さんと? 受け二人で双頭ディルドなんか 使っちゃうつもりだったってこと? ・・・それはそれで頑張っちゃう蓮くんを見たい気もするけど、絶対ダメでしょ!! 「五十嵐さんに怒られなきゃヤッてたの? コリコリ乳首二人で擦り合わせたり兜合わせで腰振ったりシックスナインとか・・・」 ああ~そんな蓮くん見たいけど見たくない!! てかそもそも僕っていう彼氏がいるのに「ヤッてもいい」って言っちゃダメでしょ!! 僕は怒りに任せて蓮くんの指の上から思いっきり乳首を摘む。 「い・・・ッ、いた、奏汰っ 痛い!」 「嘘。気持ちいいでしょ、何でも感じるやらしい体じゃん」 「ぅ・・・ちくび、取れる・・・っ、やだ、やだぁ」 摘んだままで少し引っ張ると、痛みに涙を浮かべて体を震わせる。 可愛いな、くっそ・・・。 でもこんなんじゃ許さないんだからね! 「やめて欲しかったら、そうお願いしなよ」 「バカ! やめ、ろ・・・本気で取れる!」 「それがお願いしてる態度? そんな生意気な子は、いっそのこと乳首取っちゃおっか」 「やめっ、奏汰離して・・・おねが、いっ」 「どうしよっかな、でも蓮くん勃ちっぱだし感じちゃってるしな~」 「しらな・・・っ、あうっ、も・・・ ゃめて、」 めいっぱい潤ませた瞳と、懇願する言葉。 ゾクゾクとした感覚が、僕の胸の内側から背中に抜ける。 「ちゃんと言って」 「頼むからもお、無理・・・っ痛い・・・。やめて、くださ・・・」 あああああ! もう! 可愛い可愛い可愛いってば!! しばらく蓮くん摂取不足が続いていた僕は爆発寸前だ。

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