3 / 10
第3話
「ん、どうした冬治? ビビンバ食いたいのか?」
「秋峰さん! えっと、その」
「一口やろうか、ほら」
小皿にスプーンでよそってくれる秋峰さんの服の裾から、豊かな胸筋がチラ見えした。
――――おほぉお〜〜っ頂きました! 先輩のパイチラ! ごめんな皆、皆俺が柔道ラブでこんな頑張ってると思ってるけど、俺の本当の目的は――――
――――先輩の雄っぱいなんだ。
細かい経緯は割愛するが、俺は先輩の雄っぱいが好きだ。ちょっと間違えた。
先輩のことが好きなんだ。
「美味いよな、このビビンバ」
「美味い……目に美味いです、ビバおっぱい!」
「は?」
「何でもありません!」
まさか男の胸を男が見るとは思わないのだろうが、先輩は俺のねちっこい視線に気付かず飯を頬張っている。
俺はその膨らんだ頬っぺと魅惑のチラリズムを交互に見ながら、胸をときめかせていた。
――ッかぁー、やっぱあの雄っぱいに勝る胸は他にねえな。
俺は元々女が好きなはずなのだが、車線変更してはや一年弱になる。そう、ちょうど柔道部に途中入部した時期と重なる。
というかぶっちゃけ、入部動機が先輩なのだ。
先輩の雄っぱいを間近で眺められ、時にはポロリやお触りもありな極楽浄土。それが柔道部だ。
真面目にやってる奴に知れたら締め殺されそうな不純な動機だが、誰にもこの秘密を明かすことはないので問題ない。
「冬治先輩、お疲れ様っした! 俺痺れましたよ〜!」
「へいへーい。あんがと」
「冬治さんはマジですげーっすよ! 元々フリースタイルの喧嘩で鳴らしてたそうっすけど、柔道のルールに縛られても鬼強くて僕ほんと尊敬してて…………」
一年があれこれと話しかけてくるのも馬耳東風で、目は常に先輩の雄っぱいにロックオンだ。
先輩が副将と雑談して笑うと、たわわな雄胸(おむね)がふるふると揺れる。
ともだちにシェアしよう!