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第4話

「そういや秋峰さ、彼女とはどうなん?」 「そういうことを祝いの席で聞くな。上手くいってないって言ってただろ、こないだ別れたよ」 「えーっ別れたの!? あんな超可愛くて巨乳な子と!?」  何やら盛り上がっている様子だ。つーか先輩、今フリーなんだ……フリー雄っぱい……。 「冬治さん話聞いてます? どこ見てんすか?」 「ん、おーオアシスの蜃気楼……」 「は?」  望みがないのは分かってる。  先輩がまるっきり男に興味がないのは明らかだし、俺との関係もただの部活の先輩と後輩だ。  だから、まさかあの魅惑の大胸筋を揉むなんて夢また夢で、こうして至近距離で眺め続けるのだけが俺の癒やしで、 「あっ冬治さん、オレンジジュースおかわり来たっすよ〜」 「さんきゅー」  雄っぱいウォッチングをしている間にズコココとジュースをあっという間に吸い上げ、頬杖をついた。 ――報われないのは分かってる。高望みはしない。 ――でも俺だって元々は女好きで、普通におっぱい揉み放題なハッピーライフを送ってたってのに、この先輩のおかげで道を誤ったんだよなあ。 「秋峰はさー、完璧過ぎるのかもな」 「完璧ってなんだよ、別に俺は普通だ」  先輩は周りの先輩たちと話しながら、飯を咀嚼している。綺麗な顔がもぐもぐと動くのも可愛いが、何よりやっぱり雄っぱいだ。  なぜか頭がぽーっとする。先輩の雄胸(おむね)が素晴らしいからのぼせ上がってしまったのか……、いやそれにしても暑すぎる。 「お前の普通は俺たちの普通と違うの。だから、相手の子は疲れちゃうんだって。  そうだなぁ、お前と釣り合うのは……同じくらいのパーフェクトヒューマンか…………底抜けのバカ?」 「なんだそりゃ……つーか、この部屋暑くないか?」  そうだ、部屋の暖房が効き過ぎてるんだ。  俺と先輩しか気付いてないらしく、副将は「そうか?」と首をひねっていたが、先輩は頷いた。 「暑い。……ふう、もう一つボタン開けるか。男しかいないし別にいいだろ」

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