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第8話

 掌でたっぷりと揉み込んだ胸の先端の小ぶりな粒を舌で転がしつつ、上を見上げて尋ねると、秋峰さんは唇を噛み締めて俺の髪を鷲づかんだ。 「……くっ、ぅ……っ!」 「秋峰さん、可愛い……」  あー、幸せだ……。 ◇◇◇ 「……………………ごめんなさい…………」 「冬治。顔上げろ」  その日の夜。  お酒を提供してしまった店側と部員絡みで飲酒してしまった俺ら側との間で暗黙の了解が成立し、居酒屋での一件は何事もなかったことになった。  さいわい酷い酔い方をしたのも俺程度で、他に体調を崩した部員もいなかったのでこの事は内密にという話でまとまった。和田さんは酔いが醒めてくると自分が晒した醜態に震えていたが。  俺はといえば、あの後さんざん先輩の胸を揉みくちゃにし、その挙句に眠りこけたそうだ。  動かすと吐くかもしれないというので座敷をそのまま借りて、酔いが醒めきるまで先輩に介抱され、気が付いたときには夜もとっくに十時を過ぎていた。  店長のポケットマネーでタクシーを呼び、自宅まで送り届けてもらい、今に至る。……一軒家の玄関に立つまで、お互いほぼ無言で過ごした。 「慣れない酒が入ってのことだ。あんまり気に病むな。  お前があんなに胸フェチだとは思わなかったが」 「ホント、その、マジですんません……」  俺は酔っ払っても記憶は保持するタイプらしく、ほぼ正気に還った今となっても自分がしたことの一切合切を詳細に覚えていた。  あのときは混乱してて自分が何をしてるのか分からなかったけど、俺は先輩の雄っぱいに手を出してしまったんだ。  ボタンがほつれた秋峰さんのシャツに目をやり、いたたまれない気持ちになる。  下は天野さんが着ていたTシャツを借りているが、一度上半身をほぼほぼ丸裸にしてしまったことには変わりない。 「じゃあ、俺はここで……」 「秋峰さん!!」

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