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第13話

ぽかぽか、あったかい。もっとなでて。 ぬくぬくとした温度に包まれ、軽く頭を押し付ける。 人肌ってあったかいよなぁ。 そんなことを考えつつ、再び夢の中へと旅立とうとしたとき、ふと違和感を覚えた。 そういえば俺、別れてるから、一緒に寝る人いないぞ?え、だれ? ぱちりと目を開けると、まず広めの胸板が目に入る。うわ、俺好みの、ちょうどいい感じの筋肉のつき具合だな。 待て、そんな場合じゃない。誰だこの人。そっちを確かめるのが先。そう思いゆっくりと視線をあげると、イケメンがいた。 「おはよう」 そう言って頬を撫でられた瞬間、フラッシュバックのように昨日の記憶が蘇る。 ぶわ、と顔が赤くなったのがわかった。 「ちゃんと覚えてるみたいで安心した。朝ごはんなにか食べたいものある?」 両手で頬を抑えつつ軽く首を振ると、ぽんぽんと頭を撫でてから部屋から出ていった。 俺もついていこう、と起き上がってから違和感。…ベッド大きい。ふっかふかだし。部屋自体もなかなか大きい。 リビングも広いのかな…? すこし緊張してドキドキしている胸を宥めつつ、晴さんが消えていった扉へ近づき、そおっと開けてみる。 やっぱりここも広い。ソファも黒い革張りでツヤツヤしてるし、テーブルもガラス。ひとつひとつが高そうなことが、そういうことに疎い自分でもわかる。 俺、すごい人に捕まった気がする。 そんなことを考えていると、 「優。こっちおいで。」 ハッとして声の方向へ顔を向けると、いつの間にかテーブルの上にはランチョンマットがひかれ、サラダとトーストとスクランブルエッグがのっていて、晴さんがマグカップをそれぞれの場所に置いているところだった。
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