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第17話
「どこか行きたいところある?」
「んー…晴さんのいきたいところでいいよ」
「じゃあ、11時すぎだしとりあえずご飯行くか」
その言葉を機に、ゆっくりと車が動き出す。丁寧で安心できる乗り心地はとても気持ち良くて、振動に身を任せて瞼が段々と下がってくる。
晴さんの横顔を見つめていたい気持ちのほうが、眠ってしまいたい気持ちよりも大きいが、いつ逆転するかわからなくなってきた。
眠いな。でも晴さん見てたいな。かっこいい。ねむい。
「優」
「ふぁい!!」
急に呼ばれてびっくりした。思わず噛んでしまった。思いっきり目が覚めた。恥ずかしい。そう思いながら姿勢を正す。
「眠たいなら寝てていいよ」
ふっと笑って目元に手をかざされた。
もう目が覚めたよ、とか、噛んだことどう思ってるんだろ、とか、いろいろ言いたいことがあったけど、どうでも良くなってきて大人しく瞼を落とした。
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