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第19話
人あたりの良い優しげな女の人が注文を取りにきた。晴さんはハンバーグ、俺はオムライスを頼んだ。
俺がどっちにしようと悩んでいたら晴さんが半分こしようといってくれたからだ。
届くのを待ちつつ、俺は見渡せる範囲内でくるりと店内を眺める。
中も外と同じく木で出来ていて、インテリアはほとんど白。綺麗な風景の写真が収まっているフレームは木の蔦が絡まっているような感じで彫られていて、凄いと思った。
でも、そういうインテリアの中で1番目を引くのが、俺たちが座ってるテーブルのところにある窓だった。最初に入ってきた時は仕切りでみえなかったけれど、下の方だけカラフルなステンドグラスになっていて、入ってくる日差しがテーブルの上でキラキラと輝いている。
高校生のときに文化祭で窓に赤や青の紙を貼って「ステンドグラスだ!」とはしゃいでいたりしたことをふと思い出したけれど、やはり本物の方が綺麗だった。
そんなことを考えつつ、ステンドグラスを見つめていると、柔らかい声が聞こえてきた。
「優、気に入った?」
「うん、連れてきてくれてありがとう」
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