19 / 96

第19話

人あたりの良い優しげな女の人が注文を取りにきた。晴さんはハンバーグ、俺はオムライスを頼んだ。 俺がどっちにしようと悩んでいたら晴さんが半分こしようといってくれたからだ。 届くのを待ちつつ、俺は見渡せる範囲内でくるりと店内を眺める。 中も外と同じく木で出来ていて、インテリアはほとんど白。綺麗な風景の写真が収まっているフレームは木の蔦が絡まっているような感じで彫られていて、凄いと思った。 でも、そういうインテリアの中で1番目を引くのが、俺たちが座ってるテーブルのところにある窓だった。最初に入ってきた時は仕切りでみえなかったけれど、下の方だけカラフルなステンドグラスになっていて、入ってくる日差しがテーブルの上でキラキラと輝いている。 高校生のときに文化祭で窓に赤や青の紙を貼って「ステンドグラスだ!」とはしゃいでいたりしたことをふと思い出したけれど、やはり本物の方が綺麗だった。 そんなことを考えつつ、ステンドグラスを見つめていると、柔らかい声が聞こえてきた。 「優、気に入った?」 「うん、連れてきてくれてありがとう」
ロード中
ロード中

ともだちにシェアしよう!

この作品を読んだ人におすすめ

僕の飛ばされた異世界は、「転生者」が現地人の性玩具にされている最悪の世界だった
王になり現世に帰るか、超絶イケメン皇子と結婚するかで揺れ動く王子の葛藤
71話 / 115,191文字 / 95
2020/1/29
国の交易のために、色夫という名の人質として輿入れした先で――
19話 / 100,888文字 / 72
2018/9/10
舞台は古代ギリシャ。太陽神アポロンと、スパルタの国の王子ヒュアキントスの神話の、その後の物語。