ちゃっかりデミグラスバージョンとおろしポン酢バージョンのハンバーグも貰った(今度はお皿にのせて貰った)俺は、食後のロイヤルミルクティーを飲みながらちらりと晴さんを見る。 昨日の今日でたくさん甘えてるけど、俺、晴さんが何をしてる人なのか、とか全く知らないし、晴さんも俺のこと知らないと思う。 聞くなら今かな、と思い、俺は覚悟を決めて姿勢を正してまっすぐ晴さんをみた。 ｢晴さん｣ ｢なに？｣ ｢名刺交換、しませんか｣ 少し驚いたようにぱちぱちと瞬きを繰り返した後、小さく｢あぁ、そういうこと｣と呟くと財布の中から白い紙を取り出し、どうぞ、というように俺に差し出してきた。 ごくんと生唾を飲み込み、｢失礼します｣と呟くとそっと両手で受け取る。 KHホールディングス 代表取締役 神崎 晴 ｢だ、代表取締役……しかも、KHホールディングスって、あの…？｣ ｢うん、優も知ってくれてるの？嬉しい｣ にこやかに微笑む晴さんに俺は逆に顔がひきつっていく。 ｢俺、晴さんの、部下だ……｣