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第24話

火照った身体をシートに預け、少し荒くなった息を整える。くく、と楽しそうに笑いながら晴さんがシートベルトをしてくれた。 やられっぱなしじゃ気が済まないので、あとでなにか仕掛けてやる、と心の中で決意していると、ゆっくりと車が動き出した。 鼻歌を歌い出すんじゃないかっていうくらいご機嫌に運転する晴さんをみていると、俺まで嬉しくなってきて、幸せだなあって感じた。 *** 晴さんのマンションに着いて、車をバックで駐車場に停める。1発で綺麗に泊まって、おお、と思っているとちょっとドヤ顔しながらこちらをみているのが目に入り、「かっこよかった」と言いながら頬にキスした。 すると、さっさと降りてしまったので、ちょっとやりすぎて引かれたのかな、とショックを受けながら俺も降りると、晴さんは俺の手を取って歩き出した。 あれ、どっちなんだろう、と思いながら隣を見上げてみると、耳がほんのり赤くなっているのが目に入ってきて、きゅんと胸が高鳴った。 何この可愛い人、俺の彼氏だよ、この人、と思いながらニヤニヤしていると、晴さんの部屋についた。 鍵で扉を開けてくれて、先に中に入るよう促されたので、ありがとう、と微笑みながら入ると、ガチャンと扉が閉まるのと同時に後ろから抱きしめられる。 肩に顎を乗せられて、動くに動けなくなって固まっていると、チャリ、という音とともに目の前に銀色に鈍く光るものが現れる。 それがなにかわかると同時に吃驚してはっと首を晴さんの方へ向けると、真剣な表情をしていた。 「会ってすぐだし、何言ってんの、って言われるかもしれないけど、俺は本気で優がすきだから、受け取って欲しい」 心臓が痛いくらいにドキドキしてる。この気持ちが感動なのか、歓喜なのか、困惑なのか、分からなくてなにも言えない。なんとか口を動かそうとぱくぱくさせるけど、出てくるのは空気ばかりで、そんな自分が少し嫌で、でも、答えは決まってる。 段々と目が潤んできて、くしゃっと顔を歪ませた。「優?」と耳元で甘い声がして、耐えられなくなって涙を溢れさせながら振り向いてぎゅううっと抱きついた。 「晴さん、だいすき、」 「ありがとう、俺もすきだよ」 優しく受け止められて、晴さんの体温に包まれる。ふんわり香る甘い匂いが心地よくて、抱きしめる腕にさらに力を込めた。

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