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第40話

女の人がこちらを向いて笑っている。 ふわ、と香ってきたのはばあちゃんの家でよく嗅いでいた、線香特有の匂いだった。 驚きすぎて言葉が出ない。 俺の後ろにいた晴さんに背を押され中に入ると、晴さんが仏壇の前に座り、俺を見つめてきたので晴さんの少し後ろに恐る恐る正座する。 慣れた手つきでお線香をあげるのをどこか違う世界のことのように見つめる。 スっと晴さんが手を合わせたのにつられて俺も手を合わせる。自然と瞼を閉じるのは日本人の性だろう。 正直、驚き過ぎて何も言えないので、ただ静かな時間が流れるのを感じていた。 目をゆっくりと開けると、晴さんもちょうど終えたらしく、手をおろして俺の方に向き直った。 俺の話を聞いてくれ。 そう言っていた晴さんをふと思い出し、頷く。 ありがとう、と声にならない声でそう呟いた晴さんはぽつりぽつりと話してくれた。 -------------------‐ 短くてすみません🙇🏻‍♀️ 次から晴さんの過去に入ります。 リアクションが700越えました…! ありがとうございます! これからも頑張りますのでよろしくお願い致します!

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