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結腸 ※

一一どこかから甘い声がきこえる。 誰かが俺を揺さぶっている。 その感覚が、ぞわぞわして、少し眉根を寄せた。 ぶわり、と意識が浮上していくのがわかる。 ゆっくりと瞼をあげると、いつかと同じように、汗に濡れた晴さんが俺を揺さぶっていた。 「んっ…晴さ、俺…?」 「起きた?途中で気絶しちゃったんだよ」 そういって頬を撫でられる。ん、と腕を伸ばすと、軽く微笑んだ晴さんがゆっくりと近づいてきて、それが嬉しくて俺は頬を緩める。 背中に腕を回すと、ちゅうと唇が啄まれた。 至近距離で見つめ合い、お互いに笑い合う。 とても幸せで、そのまま再び夢の中に堕ちようとした瞬間だった。 「っんああ!?」 ごりごりとナカを擦られ、ビクビクと身体が跳ねる。 「何寝ようとしてるの?ここからが本番だろ?」 ぱさりと落ちてきている前髪をかきあげ、舌なめずりをした晴さんがニヒルに笑う。 「そんなぁ…っ、しんじゃうぅっ」 「だぁいじょうぶだって。それより、ココ、いれていい?」 俺の必死の訴えをそんなことで片付けた晴さんを軽く睨みつけるも、こつこつと奥を突かれてそんなことどころじゃなくなる。 「いやぁ、むりぃっ、そこ行き止まりだからァ」 いやいやと首を振って抵抗するけれど、既に何度も突かれているためか、ぐずぐずになって蕩けてしまいそうだった。 「優」 あやすようにちゅっちゅと色々なところに唇を落とされ、お互いの舌を絡ませ合うとくたりと力が抜けてしまう。 このままどろどろになってひとつになりたい、とぼんやり思った瞬間だった。 ぐぽっ、と自分の身体から出たとは信じられないような音がして、息が止まる。 「~~~ッ!~~ッ、」 頭の中が真っ白で何も考えられなかった。 どうやら、メスイキしてしまったらしい。 暫くして、ようやく仰け反った状態で硬直していた身体が弛緩する。 ふと自分の腹部を見ると、ぼこぼことしていて、軽くさすってみると、自分のものではない、熱くて硬いものが、皮膚越しに存在しているのが感じられた。 それがとても愛おしくて、キュンキュンと締め付けてしまう。 「くっ…優、締めすぎ…っ」 そういって汗を流す晴さんがとても色っぽくて、ぐいっと引き寄せると、煽るためにささやいた。 「晴さん…ぐちゃぐちゃにして?」

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