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悪魔

ふと目が覚める。朝日と言うには少し高い陽の光が目にしみて眩しかった。 反対を向こうと身体をもぞもぞとさせる。すると、うぅん、と唸って眉を潜めた晴さんが腕の力を強めてきた。 そのせいで動けなくなってしまった俺は、仕方なくぱちぱちと瞬きを繰り返し、目を細めながらすやすやと眠る晴さんを見つめる。 俺は、身体もギシギシとしていて、正直指先ひとつすら動かすのが億劫なくらいなのに呑気に眠り続ける晴さんが恨めしかった。 昨日、俺が晴さんを煽ってから、腹上死させられるんじゃないかっていうぐらいイかされたし、ナカに出された。最後の方に俺が出していたのはもう粘性のある白いものじゃなくてサラサラとした水のようなものだった。 イキすぎて俺のモノもアナもずきずきとしてるけれど、身体に関していえば不快感はない。 晴さんもたくさんイッていたし、疲れただろうけれど俺の身体を清めてくれたんだろうな、と思ったので、いま幸せそうに眠る晴さんにイタズラするのはやめておくことにした。 けれど、何もしないのも癪なので少し鼻をつまむ。 少し鬱陶しそうに眉を顰めたあと、ぱかっと口が空いてすぅすぅと寝息を立て続ける。 ちょっと間抜けなその姿にクスッと笑ったそのときだった。 「…優、いい度胸だね」 互いに横を向き合って寝ていたはずなのに、今はうえに晴さんがいる。 「い、いつ起きたの?」 「優に鼻を摘まれたとき。…俺ぇ、朝目覚めて1発ヤルのも結構すきだよ?」 寝起きで少し掠れているのに加え、甘える様に上擦った声。朝からイケメンだ!ときゅんとするのもつかの間、俺を無理矢理発情させるような粘着質なキスが落ちてくる。 「んや…っ、もぉ、お尻痛いからぁっ」 涙目になって必死に訴えた。 けれど、そんな俺を嘲笑うかのように舌が絡め取られてぞくぞくと背筋が震える。 くてん、と身体がいうことをきかなくなってようやく解放された。 「…無理させても嫌だし、これくらいにしとこうか」 そういって軽いバードキスを数回繰り返したのち、また俺の隣にごろんと寝っ転がる晴さん。 「…全然〝このくらい〟じゃないよ。俺、死んじゃうかと思った」 ちょっと睨みながら文句を垂れる。 「俺がキス上手いってこと?ありがとう」 なんも気にもとめずにそういってニヤリと微笑む晴さん。きっと前世は悪魔かなにかだったに違いない、とおもった。

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