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努力は結果が伴わなければ意味がない

上半身を起こした状態でベッドで寄り添う。 お互いなにも身につけていなかったため、2人の肌が触れ合うところがしっとりとしていて、気持ちよかった。 いつもは、俺は気絶してしまってこんなにまったりとした時間を過ごすことは無かったが、今日はゆっくりしたおかげか、事後の親密な雰囲気にどっぷりと身を浸す。 「ねぇ、晴さん」 左手で俺の手をにぎにぎと弄り、右手で俺の肩を抱き寄せてさらさらと髪を梳いている晴さんは、今日もなんだかご機嫌だ。 「んー?」 「俺ね、努力は結果が伴わなければ意味がないと思ってたんだ」 その言葉に、少し眉根を寄せた晴さんがこちらをじっとみる。 「俺の元彼のひとたち、『気持ち悪い』っていわれたり、『付き合ってられない』っていわれたりした。特に印象に残ってるのは、『男同士ってもっと気楽に付き合うんだと思ってた。そんなに頑張られたら、俺もなにかしなきゃいけない気がして、気が休まらない』っていわれたこと。」 晴さんは、俺の手をぎゅっと力強く握ってきた。 「〝努力〟って、すごく難しいね、晴さん」 そういって弱々しく笑いかけると、晴さんは誰よりも苦しそうな表情をしていた。けれど、その目には強い光が宿っている。 「確かに、努力って簡単にいえることじゃない。こんなに頑張ってるのに誰もみてくれないって思ってしまったり、それ自体を誰かに否定されることもあると思う。 でも、努力できるっていうのは、誰にも負けない、優の強みだよ。 優は、どんなに苦しくても、ずっと頑張ってここまで来たんだろ?その優が、『意味がない』なんて否定したら駄目だ。それは、過去の自分まで否定したことになってしまう。 他の誰もが認めてくれなくても、自分自身が認めることが出来れば、それはとても大きな〝価値のあること〟だ。優は、もう自分を許していいんだよ」 すとん、と言葉が胸にまっすぐ刺さったような心地がした。 今までの傷も全部ひっくるめて、この人は俺を愛してくれている。自然とそう思えた。 嬉しくて、嬉しいのに涙が出る。それでも俺は、震える口元を押し上げて、不格好な笑みを浮かべた。 「晴さんに出会えてよかった。愛してるよ」 そっと濡れた頬を拭われる。お互いに溺れ合うようなキスは、とても気持ちがよくて、とくとくと胸が高鳴った。 「俺も愛してる」 end

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