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ノンケの子がウリするのが売りって

俺がこのバイトをぜひやりたいって言ってた。と言ったと…? 「何故、そんな事を」 「ごめん、ごめん、うちの回りで美人な子ってお前ぐらいだったしさ。それに、誰か紹介すると、ボーナスUpするって言われたんだよ」 「お前…」 「それに、聞いたよ。携帯」 それ…、通話料無料にだまされたんだよ。通話が無料になる時間決まってるって知らなかったし。解約するっていったら、本体も無料だったハズなのに、本体代金も一気に請求されたし。あわせて20数万の請求さ…。 (注※ガラケー全盛のまだ定額制が定着していなかった数十年前の当時、このようなトラブルが多く人によっては100万円にも及ぶ高額請求もあり社会問題にもなっていました。この話の舞台はその頃です※) 「そんなの、最終的には親に泣き付きゃいいし、携帯なんて、暫くなくてもいいんだし。俺が払う必要ないから」 「あはは、怒るなよー。ここは他よかずっといいんだよ。店長もいい人だし、それに、お前、コンビニなんかでバイトしてみ、安く使われるだけだぞ」 たしかにそうかも。って納得してる場合か? 「あ、ここの店のホムペ知ってる?」 「…え?」 「ホームページだよ。見てみる?ここのスタッフがブログとかも書いてるよ」 そこで、見てみてねと、部屋に入れられた。そこは、壁の一つが鏡になっていて変な部屋だった。その前に何台かパソコンがあってマンガとかもある。インターネットカフェかマンガ喫茶風だったけど区切られてもない。 そこの1台のパソコンで見ることにしてみた。 そこで出てた来たのは……。 『Blak'n Blue』 『出張ホスト貴方だけ』 『男性専用』 と、いう文字が画面に踊っていた。 え? 男性専用ぉお? 何?なんなの? そういえば「おじさん」とか言ってた気が…。 これって・・・・ 「ちょ、三木!!!」 俺は三木を呼んだ。 「淳ちゃんは、お客のとこ行っちゃったよ」 店長が答えた。そういえば、この店長なんとなくカマっぽいんだけど。 つか、三木吉蔵…。この俺を置いていったな。後で、ぶん殴る。ってか殺す。やばすぎ…。 「あの、俺、三木からよく聞いてなくて、まさか、その、男と…」 「だいじょうぶ。うちは、ノンケの子がウリするのが売りだから」 店長は、にこにこして、そんなシャレにならないシャレを言った。 えっ。まてーー。 俺が頭真っ白になっていると、 「んー。女の客もね、いないわけじゃないんだけどねぇ。なんというか、女性はね、どうも、こういうのに慣れてないというか…。それに、女は、ケチだから、逆に大変だよ?」 聞けば、女のお客もいるにはいるけど、固定に付いてる子がいるみたい。しかも、お客の彼女たちは、元をとろうと、そりゃサービス過剰にしないと、たちまちクレームがつくらしいし。女ってそうなのか? そんなのに付いたら、俺死ぬかも…。って、俺、やるのを前提に考えてる? 「とにかく、俺、やりませんから!」 と、言って外へ出ようと思いきり店のドアを開けた。すると、 「……って…」 ゴンと音がした。 やばい、ドアぶつけた?見ると誰かが頭を抱えて座り込んでいた。 「すみません、すみません」 とにかくひたすら謝った。そいつが顔をあげた。 背が高い…。

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