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ラブホにGO!※
……
…………
なにかとても、暖かい。
ふわふわの場所だ。
なにかが顔を触っている。
額になにか…。
誰かキスしてる?
ほっぺたにも、口にも?
なんか手で優しくなでられてる気もする…。
なんかとても安心する感じ。
……っ──って。あれ?おかしいよ?
あれ?俺って何してたんだっけ?いつの間に寝ちゃってた・・・?
"いやちがう!!"
ぼんやりとした頭がはっきりしてきた。瞑っていた目を開く……。と、目の前には誰かがいる。一瞬自分の状態がわからない。
回らない頭を急激にフル活動させた。たしか、俺、木戸にキスされて………。
……それから、どうした?
今、俺はどうなってる?
この、ふわふわで、シーツがごわごわしてるとこって、ベッド?で、ここは……もしや?
………ラブホ……!!?ベッドに寝かされてる!?
目の前にいるのは木戸??
……俺ってもしかして……
…ヤられちゃった…?
でも何処も変な感じじゃないよ。
って、
……。
「……ぁあっ…」
今、自分から出たと思えない、艶っぽい声を出してしまった。誰かが俺を直接触っているんだよ。誰かって、ここには木戸しかいないからこいつだ。
「やっと目さましたね。俺のキス、失神するぐらいよかった?」
違う…俺のキャパを超えたから、いきなり、強制終了になっちゃっただけだよ。
「……やめて」
掠れた声をやっと出した。何で掠れてしまったのかは……。
何故って、木戸の手が俺の下肢を触ってるから。直接触…直接…って…。知りたくなかったけど。今、俺、裸に剥かれているのか?怖くて自分の状態を確かめられない…。
「震えてるの?かわいい。大丈夫だよ。優しくするから」
優しくされたらその先はどうなるか知りたくない。
くっそ、三木吉蔵。ぜってー殺す。
俺は、身を捩って木戸の手から逃れようと、背中を向けた。すると、今度は背中から抱き締められる形になった。
「……最初だから、無茶しないって言ったのに…」
「……うん。言ったよ。だから、無理にはしてないだろ?」
これの何処が無理やりじゃないっていうんだよ。
「ホントはね、今日は君と軽いデートでもよかったんだけど。なんとなく、君を見てたら、欲しくなっちゃたんだよ。だって、キスしただけで、失神って。かわいいじゃない?」
だから、ソレは俺のキャパを超えたからだから…。
「…あ…」
急に耳殻にキスをされて声が出る。
「かわいい。感じるんだ?」
違う…。
手は再び俺の下肢に行き、そっと芯に触れられる。
…ヤメロ…。それ以上触るな…。
耳殻から、首筋へキスをされる。それは、ざわっとした感じで。
「…ぅぁ・ァ」
身体がビクッとなって声を思わず出してしまった。
「ほんと、感じやすいんだね」
木戸の手が俺を激しく刺激してくる。
やばいよ…このままじゃ俺…。
その時、どこからともなく、音楽が鳴った。
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