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声は吐息に ※
……
………
……………
「───ぁ…・・」
声は吐息に変わる。
何度もキスをされて、身体に痕を付ける。すでに一度達してしまったのに、まだまだ、木戸は俺をとらえて離さない。吐息になる声はすべて、喘ぎ声に変わる。
息がつけない。
彼の手が俺の後ろの蕾に行く一瞬、体が、固まる…
「怖い??」
目の前にいるのは木戸だ。いやだと言えば、ここまではこなかっただろう…。だけど、そのまま、流れのままに来てしまっている。
これは、俺が望んだ事だ……。
だから、この前の時よりも、より優しく、より深く、感じている。
でも、その先へ……行くのが。……怖い。
「ねぇ、怖いから、やっぱり、いやって言ったら?」
言ってみた。
「だめ。止まんないよ。今日は、止めない」
やっぱり…。
戻れない。
「…木戸さん…」
「名前を呼んで、『翔平』って」
「じゃ、俺も、雅はやめて…」
「雅ちゃんは雅ちゃんのほうがいいよ」
「…ずるい」
するりと指が入って来た。
「あ、ぃや……!!ぃたいっ」
いままでに感じた事の無い衝撃が来る。
「ゃめて…ゃめ…」
腰が引ける。
「ごめんね…。もう少しそっとするね」
そう言って、腰を引き寄せられる。そっとするもなにも、痛いもんは痛いんだよ。涙が出そうだ。ってか出てる。
「無理……ムリ…。これ以上したらきっと死ぬし」
俯せにさせられて、そのまま、腰を高く持ち上げられた。
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