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……… …… … ものすごく、けだるい… 身体が動かない……。 でも、頭だけはぐるぐると回って色々考え始めている。 どのぐらいの時間が経ってるか分からない。 窓から光が入っているのを見ると朝なんだろう。 ぐるぐる考えているけど頭の中は色んな事を拒否していてぐちゃぐちゃだ。 分かっているんだ。だけどそれを認めたくない。 今、自分がどうなっているか? "一時のノリで、木戸とやっちゃったよ………" もう、だめじゃん。 とりあえず帰んなきゃ。ここから、出なきゃ。 ベッドから起き上がろうとした。 「……って…」 ものすごい痛みが下半身に入る。起き上がれない。ってか、力も入んない。 そういえば、俺ってば腹がものすごく空いてますけど…。昨日思い起こせば、食ってないし。 それであんな事もしちゃったし。色んな意味で俺死にそうですけど… ……これじゃ、俺、ここから出れないしこのままじゃん。 ベッドでごそごそしていると、隣りから声が聞こえた。 「雅ちゃん、起きたの?」 そっか木戸が居たんだ。今頃気付いた。と、同時に、後ろから抱き付かれる。 「…木戸さ…」 「だ、か、らー。翔平って言ってよ。ね。昨夜は、言ってくれたのに」 「だって、それは」 「昨日の、雅ちゃんはかわいかったよ」 昨日の事を思い出すと顔が赤くなった。 「ほんとかわいい。また、したくなっちゃうよ」 首筋にキスをされ、木戸の手が下肢を触ってきた。このままなしくずしにまたやっちゃったら俺、マジ死ぬし。 「……まって。無理。もう。無理だから。俺、倒れそうだし。死ぬし」 「いいでしょ?」 いや、だから、死にそうなんだってば。この変態。 「だから、触るのはヤメロって」 「ちょっとだけ」 だから、死にそうなんだって言ってるのに。こいつ、人の話聞いてないし。 その時、俺の腹から、音がした。 えらい、腹の虫。 よく、このタイミングで鳴った。 「だーかーらー。俺、腹へって死にそうなんだってば…」 木戸は、くすくす笑い出した。っていうか失礼なぐらいに笑っている。 「雅ちゃんって、ほんとかわいい」 何故そうなる? すると、ドアがノックされる音がして声が聞こえた。 「翔ちゃん」 その声はどこかで聞いたことがあるような気がした。 .

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