31 / 54
サークル
………
……
…
昨日はアレから、俺はマンションに帰ったけど、翔平はそのまま会社に戻った。
帰りは、やはり遅かった。
しかしヘリコプターのチャーターとか……何でもないのにする?これで誕生日とか何かのイベントとかになったらどうなるんだよ?昔のバブリー社長かよ
そんな事を考えながら大学の構内をぼーっと歩いていると。またしても、三木がやってきた。
「雅ちゃん~おっはよ」
こいつがにこにこしている時はロクな事じゃない。と、思って警戒していると。
「今度の金曜なんだけどさ」
急に言い出した。……金曜日?って何だっけ?
「え?っと何?」
「アレ?言ってなかった?サークルの新歓コンパ」
「そういえば、そんな事いってたっけ」
うちのサークルは、男女比は半々ぐらいの楽しい色々なイベントを企画するサークル?でも俺は殆ど名ばかりで活動とか全くしてない。
飲みサーみたいといったらそうなのかも。だけど、俺はそういう関係には顔を一切出してない。
何故かというと……すべて翔平のせいだ……。
最近は、仕事で忙しいからなかなか来ないけど、ついこの前迄、大学まで迎えに来てたし。そんなサークル飲み会なんて参加する事とか出来なかった。
よし。参加してやる。
「うん、行く」
俺は三木に即答した。そうしたら、物凄く驚かれた。
「え?大丈夫なの?木戸さんは?」
「っつかさ、さそったのお前だろう?」
「そりゃ、とりあえず言って見たんだよ。だってさ、木戸さんに睨まれるのイヤだしあの人を敵に回したら怖そうだし。それにBlack'n Blueの店長にも色々言われたくないもんな」
三木はそんな事を言っている。なんか、ものすごく腹立つんだけど。
「オマエはいつもそんなんだよな。就職、Black'n Blueにしちゃえば?店長に気に入られてるし」
「それね。実はさあ。中川店長のやってる他の店の店長にどお?とか言われたんだけどさ。でも断ったよ」
「……オマエは」
皮肉な意味で言ったのに。まあ、三木なら何処でも上手くやれるだろうよ。
「まぁ。じゃ、雅ちゃん参加ね」
すると、三木はにやーっと笑ってさらに言った。
「知ってる?お前さあ、結構モテてるんだよ?」
「え?何言ってんの?」
「おまえの事情を知らない女の子達にねー、結構聞かれるんだよ。鮎川くんは来ないの?ってさ」
それがモテてるって事なんだろうか?
「いいよなあ。オマエ」
「まさか、そういう時、色々バラしてるんじゃ?俺らの事みんな知ってるってお前のせいか」
「いやいやいや。みんな知ってるって言うのは、まあ、嘘」
「ウソかよっまた調子いい奴だよな」
「だけど、まあ、木戸翔平が送迎にきてるっていうのは知られてるよね。彼氏とかっていうのはみんな分かってないだろうけど」
「それならいいんだけどさ」
少しほっとした。
「オマエ、人気だから。よかったー。コレで俺、女の子に煩く言われなくなるわー」
三木は笑いながら言った。
.
ともだちにシェアしよう!