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コンパ
………
……
…
やはり、こういうところにはくるべきじゃなかったかも。
サークルの飲み会では、俺はみんなとあんまり話しもせずに、つまんねーなとか思いながらただひたすらに、酒を飲んでいた。
しかし、やはりというか、やっぱりというか、俺に色々質問をしてくる女の子とかがいて、ちょっと煩い。そのうちの1人の子がやたら絡んできて突っ込んで質問してくる。
「ね、ね、鮎川くんってさあ。あの木戸翔平とどういう関係?」
そんな事を行き成り言われて飲んでいる酒を噴き出しそうになった。
翔平はわりと有名だから知られているし、たまにTVとかにも出てることもあるから仕方がないとはいえ、事情を知っているのは三木のみだし。他のみんなは深い事情を知る訳も無い。まさか、俺が翔平と『付き合って』いるなんて事を言える訳ない。
「あはは・・・」
俺は顔が引きつりながらただひたすら、笑ってごまかすしかなかった。
「知りたい~~?」
そこへ、三木が嬉しそうに言ってきた。
「オマエ……」
ここでイヤがったら、かなり怪しいとか思われてしまうから、無理に止められない・・・・。
俺は睨みつけながら、小さい声で三木に言った。
「言ったらコロスからな」
「OK。まあそのへんは、大丈夫。ちょっとからかいたかっただけー」
にやにやしている三木。こいつは……。
なんだか居たたまれなくなって、トイレに行くと言ってその場から逃げるように席を立った。
なんだかなあ…。俺は深いため息をついた。
やっぱりつまらないな。
女の子と特に仲良くなりたい訳じゃないし。うちのサークルのメインはこういう飲み会みたいだし。たまにはいいかなあとか思ったけど、最近、他の連中とも、つるんでないから話にもついていけないし。と、このまま帰ろうと思った。
とりあえずメールで三木に知らせて、そのまま店を出ることにした。
店を出ると、なんだかちょっと、フラっときた。
……ああ、少し酔ったんだなあ。
つまんなかったし、面白くなかったし……。だから俺はあんまり食べ物も食べずに只ひたすら飲んでいた気がした。空腹に酒じゃー酔うよなあ。
まあ、ゆっくり歩いて駅まで行こう。
と思って少し、頭もぼーっとしながら歩いていると、ドンっと前から歩いてきた人にぶつかった。
「あ、すいません」
急いで謝る。すると、
「あれ君?たしか、鮎川くんですよね?」
聞いたような声?誰だ?と思いながら顔を上げると。
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