42 / 54

場所がわかった理由

「……心配してくれるのは嬉しいけどさ、なんか、いやなんだよ」 このままじゃ、俺がだめになりそうじゃん。 「ふーん?」 翔平はしばらく考えているようだった。 「だって、今回みたいな事になっても、助けに行けないよ?」 「……翔平」 俺はしばらく翔平の顔を見つめた。そういえば何か忘れている気がする……。 「そうだ!翔平、どうやって俺の場所がわかったの?」 そう!!それが一番ききたかったこと。 「知りたい?」 翔平はなんだかもんのすごく嬉しそうに、にやにや笑っていた。というか、知りたい?と聞いておきながら絶対聞いてよね……っていうフリ…だよね。 「ってかその笑いかなり気持ち悪いよ。知りたいから言ってよ」 「雅ちゃんの場所が分かったのはね……」 翔平は得意げに言う。 「携帯出なかったでしょ?……だから探したんだ」 「携帯?あっ!」 そう言えば倉沢に拉致られた部屋にいた時、携帯が鳴った。 「この電話。GPSついててね。あとここの部屋の鍵、渡したよね。実はね。そのキーホルダー超強力なGPS機能つきで……この携帯とコンビで検索すればカンペキ」 鍵!ここの。翔平から渡された合鍵。そうだ、なんかきらきらしたキーホルダーがついてた、あれか。あれなのか? 「最初、雅ちゃんおそいなーってGPSで探してみて、あ、居酒屋あたりにいるなーって思って、ちょっと探しに行ったんだよ。そしたら。雅ちゃんがなんとなつかしい見知った顔といるじゃない?びっくりした」 「……翔平……てことは、ずっと?俺のこと監視してたの?」 「雅ちゃんはかわいいから、いろいろ危ないし。前みたいに暴漢に襲われたりしたとき、またすぐ俺が駆けつけたいし。それができなかったらって思うと……」 そうだ、俺が翔平とつきあうきっかけにもなったあの、公園でレイプ魔に引き込まれて襲われそうになった。あの時はたまたま、翔平が偶然、見かけてあの強姦魔を伸したんだけど。 だけど、ああいう偶然に駆けつけるっていうの毎回なんて出来る訳ないよな。だからなんだろうけど。 だけど、なんだか……納得行かない。俺は布団をかぶって翔平に背中を向けてしまった。 .

ともだちにシェアしよう!