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友達だった
「俺って・・・。翔平の持ち物かなにか?」
そのまま翔平に言う。
「持ち物って……雅ちゃんは、恋人だよ?」
「……でも、監視されて、翔平の持ち物みたいになってる」
「雅ちゃん……監視とかじゃないよ?心配だからなんだよ……ねぇ?」
"……分かって?……"
そっと囁かれる。翔平はそのまま、俺を背中から抱き締めた。感謝はしているけど……なんともいえない気持ちになった。
「…分かってる……おかげで、助かったっていうのも……とても嬉しかった。だけど……監視はいやだ」
「こういう事するのは今回だけだよ。でも、何度も、雅ちゃんが危ない目にあったら、俺は心配で、きっと雅ちゃんを、部屋から出さないから」
それはすごく怖いんですけど・・・・。
「だけど、GPSだけで、正確な部屋とかわかるもんなの?」
「ああ、まあ、そこは秘密っていいたいけど、雅ちゃんが倉沢といて、暫くしてタクシーでいなくなったってことまではわかったんだ。あとはGPSでマンション特定後、人力で部屋はわかったし」
「人力……」
なんだか走り回っている翔平を想像してしまった・・・。
「だけど、さ、よく倉沢先生が俺に変な事してるってわかったっていうか」
「まあ、雅ちゃんに故意に近づいているっていうのは何となく分かった。決定的なのはやっぱり携帯に出なかったこと。何かあるって思ったし、それに携帯鳴らした事で位置も特定できたし」
翔平が心当たりがあるほど倉沢に恨まれるような事をしたっていうわけなんだろうか?
「倉沢先生はあれからどうなったの?」
「まあそれは、ちょっと考えてる事があるから。後でまた言う」
なんだそれ。
「一体何をして恨まれる様な事になったの?」
昨夜、聞こうと思ったのに、翔平に色々誤魔化されてなし崩しにされたし。
「あいつさ、大学の時の友達だったんだよな」
少し遠くを見る様にして翔平は話しはじめた。
大学の"友達"だった……?それなのに、なんで翔平を恨んでいるんだろう?
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