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好きとか言われた?
しばらくして戻って来た翔平は書類を倉沢に手渡す。倉沢は何事も無かったかのように渡された書類にざっと目を通していた。
その間、何故か翔平は俺の顔をじっと見ていた。
書類を確認して、
「これ、今ではなくても今度、会社で手渡して貰ってもよかったのでは?」
倉沢はそう言ったが、翔平は
「こういうのは、早い方が良いからね」
そう答えた。
俺の顔をじっと見ていた翔平が言った。
「雅ちゃん……顔赤いよ?」
あ、やばい。倉沢から変なことを言われたからか。顔に出た。すると、翔平は急に俺の腕をそっと掴み自分へと引き寄せた。
「何?」
俺がびっくりしてると、そのまま抱きよせられて唇にいきなりキスをしてきた。
"ちょっ!!まってよ待ってよ。倉沢の前だよ?"
吃驚して固まってしまう。
「ちょっと、翔平なにするんだよ」
やっと解放されると思わず怒って翔平に怒鳴ってしまった。だけど翔平は倉沢に挑発するように、
「なぁ、倉沢、雅ちゃんは俺のもんだから」
俺をギュッと抱いて言った。
「なんなら、ここで雅ちゃんとやって見せてもいいよ」
やるってなにをなにを……?
「何、言いだすんだよ!」
俺は勢い余ってそのままぐーで翔平を殴った。
……軽くだけどさ……
「ってーー。雅ちゃん痛いってば、冗談だって」
だけど、倉沢はそんな様子を見ても動じずただクスリと微笑んで
「わかってるよ木戸。俺は君に雇われる事になったし、ボスの恋人に手を出すなんてバカな真似はしないから」
と言ってそのまま帰って行った。
倉沢が帰った後、俺はなんだかどっと疲れた。
「翔平、冗談でもああいうことやめて」
リビングのソファーに長くなってそう翔平に文句を言った。
「いや、アレは冗談じゃないよ」
翔平が後ろから抱きついて来てそう言った。
「本気だったの?」
翔平はそれには答えずにさらに、ぎゅっと強く抱き締めて来て言う。
「やっと、二人きりになれたねぇ」
これは、なし崩しになってしまうっていうパターン?でも、その前に、翔平に言わなくっちゃ。
「……翔平…実は今ね、倉沢先生にさ…」
翔平はニヤリと笑って。
「好きとか言われた?」
え?翔平?知ってるの?
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