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エピローグ そして今

…… ……… ………… 目の前には書類。そして、部屋にはひたすらパソコンのキーを打込む音のみ聞こえている。昼の強い日差しは何処へいったのか、もう日はとっぷりと暮れてしまって、外は綺麗な夜景が広がりはじめていた。 「はい」 翔平が缶コーヒーを持ってきてくれて渡してくれた。 「あ、すみません」 「だから、もう、ここでは敬語いいかげんやめようよ」 「だめです」 「ほんと、雅ちゃんは堅いなあ」 ものすごく不満げな翔平。 俺は翔平が持ってきてくれた缶コーヒーを飲みながら、はあ…。と小さく溜息をついた。 「雅ちゃんどうした?」 「この書類の数。これというのも、社長がなかなか処理しなかったものが滞っていたのが原因でしょう?」 俺は少しムっとして言った。まあ、それもこれも、最近の翔平の仕事の忙しさからの所為もあるんだけれども。 「今日は早く帰ろうと思って、ちゃっちゃと作業したんだよ」 「一遍に書類を回されても。その後処理をするのはこの俺ですから。俺はまだまだ終わりませんけど」 「それは……」 「その日のうちにやらなければいけないものは溜めないで毎日処理してくださいって言いましたよね?」 「そんな事を言われてたような……」 「そんなに早く帰りたかったのならば、先に帰ってくださいね。1人で」 「うう。俺、社長なのになんだか、雅ちゃんにいっつもいじめられているよな」 「そんなことないですよ?」 こうやって今、翔平の元で働いているけれども、最初は他の所へ働こうとはしていた。まあ、なんやかやあって、結局は翔平の所で働いている。 ただ、無条件で働くのは自分としては嫌だったので、必要な資格は色々取ったし、あと、仕事とプライベートの区別をきちんとつけると言う事で働く事になったんだ。 だから、仕事の時はきちんと翔平には社長に対しての敬語を使うし必要以上に関わらないようにはしていた。だけども……。翔平はあっという間に社長付きの秘書に俺を上げてしまったんだよな。

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