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鷹取光輝02

「別に……父さんじゃなくたっていいじゃないか。他にアルファはいくらだっているじゃないか。とっとと『つがい』とやらを見つけりゃいいんじゃねーの」 「運命のつがい、なんて、そう簡単に巡り会えるものじゃありませんよ」  まあそりゃそうだろうけど。 「都市伝説みたいなものです」 「都市伝説……」 「でもオメガでも、アルファなら誰でもいいってわけじゃありません」 「あんたさっき、愛ある行為じゃない、って言ったじゃないか」 「ええ、でも、誰とでもできる行為じゃありません。私は旦那さま以外と、こういうことはできません」  アルファのちんぽなら何だって受け入れる淫乱……そんな偏見を、ちくりとやられたような気がした。  早坂じゃなかったらよかった。早坂の相手が父じゃなかったらよかった。そうだったら、今の早坂の言葉も、本当にそうだ、と素直に受け入れることができただろう。 「残念だったな、父さんとつがいになれなくて」  どうしてそんなことを口走ってしまったのか分からない。ただ何か、早坂の表情を曇らせる何かを言ってやらなければ、と、思いついたのがそれだった。けれど早坂はやはり落ち着いたまま、「畏れ多いですよ」とだけ、言った。

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