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鷹取晃人03

 修哉のあられもない姿ももちろんだけど、主導権を握れている、ということにも興奮した。  発情期のときは、確かに肉体的に攻めてはいるものの、修哉に引きずられるような形がほとんどだった。ワケが分からなくなる、と修哉は言っていたが、確かに晃人もワケが分からないまま、射精させられていた。それはそれで気持ちいいけれど、物理的な刺激での興奮が多く占め、心は抜き取られて空っぽだった。修哉とやっている、ということすら、下手したら忘れそうになった。でも今は確かに、修哉と、やっている。自分が、修哉を、気持ちよくさせている。どこをさわってほしいと思っているのか、どうしたら限界を迎えるのか、手に取るように分かる。こうなったらイかせるタイミングはもちろん、先走りや精液の量まで、全部コントロールしてみたい…… 「ほら、イけるよな。もうここ、ちんこ以上の性感帯になっちゃってるもんな」 「やだっ、晃人っ、本当にイっちゃう、ひっ……いっ、イっちゃう、か、らっ……あ、あっ、あああっ!」  やだ、と言いながら胸を反らせて、舐めてくれ、と言わんばかりの格好になっているのが、本人は無自覚なんだろうけど、最高に可愛かった。びくんびくんと痙攣しているところに、追い打ちをかけるように音を立てて吸い上げた。 「はは……本当に乳首だけでイけたじゃん」  腹に飛んだ精液を見せつける。  本当は乳首を可愛がりながら、膝でペニスを押さえつけるようにしていた。でも修哉は乳首だけでイったと思っている。荒い息にあわせて、修哉の胸が上下する。それすらも何か、劣情を煽る行為に見えてきた。 「な……んか……あのとき、より……心臓、ばくばくしてる……」 「うん、だって修哉、あのときよりやらしーもん」 「ひどい……」 「ごめん、いじめすぎた」 「いじめた、って自覚あるんだ」 「あ……」 「もう、最悪……」  すねたように顔を背け……でもすぐに向き直って、キスしてくる。  しつこくキスを繰り返していると、また互いに興奮してきているのが分かった。 「入れていい?」 「入れたいんだろ」  さっきの意趣返しなんだろう。 「入れたいって言えよ。そうしたら入れていい」 「うん、入れたい」  晃人がそんなあっさり言うとは思っていなかったんだろう。言わせた修哉の方が、逆に顔を真っ赤にしている。 「修哉の、さっきから入れてほしいってひくひくしてる穴に入れていい?」 「そこまで言えって言ってないし」  俯せにさせ、腰を高く上げさせる。向かい合ってやることが多かったから、新鮮な感じがする。『あの』ときは大抵、しがみつかれて性急に求められてしまうから、顔が見たいからとかキスがしたいからとか愛し合っているという感じがするからとかそういう甘い理由からではなく、なし崩しにその体位になってしまうだけだ。修哉の勢いが強いと押し倒されて、上で腰を振られるのをただ受け止めるしかなくなる。恥じらいなく乱れる修哉を下から見上げるのもいいけれど、たまには思うとおりにしてみたかった。  入口の部分をくすぐるようにすると、たまらないという風に腰が揺れる。 「な、にしてんだよっ」 「何って」 「早く入れろよ」 「やっぱり入れてほしいんじゃん」 「それはお前が、そういう風にこすりつけるから……っ」 「分かったよ」  一気に奥まで沈めていく。 「あっ……あああ……はぁっ……ああっ」  根負けしたわけじゃなかった。「馬鹿」「馬鹿って言った方が馬鹿」って小突き合うような会話も楽しかったけれど、今度は激しく喘がせてみたくなったからだ。発情でどうしようもなくなって漏れてしまう声じゃなく、ちゃんと、自分のことを感じて乱れてほしかった。求めてほしかった。 「そこっ……だめっ……ああっ……やぁああ……っ」  熱を、質量を、先端の感触を、ぬめりを、次第にぐちゅぐちゅと大きくなっていく音を、全部感じて修哉が震えているのが分かる。敏感な部分に当たる寸前で腰を少し引くと、ナカがびくびく痙攣するのが可愛い。不意打ちに奥まで突っ込んだとき、ぱたっ、とペニスから雫が飛んだのが分かった。シーツをぎゅっと握りしめて、突っ伏しそうになっている。その腰を再び高く上げさせ、揺らしてやる。

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