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鷹取晃人04

 修哉の唇がぶるぶる震えて、そしてとうとう、こらえきれなかった涙が溢れ出した。泣いている修哉を見ていると、気持ちは不思議とスッと落ち着いた。さっきまで晃人の方が、今にも泣き出しそうだったのに。まるでそのぶんの涙を引き取ってくれたみたいだった。慰めなければいけないんだろう。でも、泣くなとは言えなかった。むしろ、もっと泣いてほしかった。悲しませたくはなかったけれど、泣いてほしい。だって、きれいだったから。その涙が一番、晃人を、修哉自身を、そしてお腹の子を、救ってくれるもののように見えたから。  ……こんなに、泣いたから。  だから、うんだ。  そう、言ってもいいんじゃないか。  うまれてきてほしい……それよりもっと強い……失いたくない……そう、失いたくなかった。だからお前はうまれてきたんだ。その思いでお前を、うんだんだ。苦しませるためにうんだんじゃない。苦しいことがあってもお前なら乗り越えていけると思ったから……だからうんだんだ。  そう……自分の中に答え……のようなものを見つけてはじめて、修哉を抱きしめることができた。ああ今……ふたつの命を抱いているんだ……  しゃくりあげる息を感じながら、そう、思った。

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