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早坂修哉01

 初めて彼とつながったときのことは、よく覚えてます。  私は、そして晃人もたぶん、初めてだったと思うのに、まるで知っていたかのように迷いがありませんでした。  つらかった。助けてほしかった。つながれたとき、心底救われた気がした。  でも、それだけではなかった。  私は、その瞬間、確かに、晃人を引き込みたかった。自分と同じところに、引き込みたかった。つながれたときの嬉しさの中には、解放感とか充足感とかだけではなく、そういった仄暗さも混じっていました。晃人の首の後ろに腕を回しながら、離さない、と思いました。一生、離さない。  晃人とつながって、でも、身体の中で荒れ狂っている熱は、おさまるどころか、余計にひどくなっているように感じました。アルファとのセックスがどんなものか知る由もありませんでしたから、ああ、こんなものか……噂で聞きかじったほどには、たいしたものじゃないな……と思いました。こんなもので溺れ狂ってしまうひとがいるのが、信じられませんでした。  満たされたのは身体ではなく、心でした。こんな自分でも受け止めてくれるひとがいる。苦しみから解放されるまで見守ってくれるひとがいる。分かってくれる。ずっと、ずっと、絶対、見捨てることなく、最後まで。……なんて、爛れた大人になった今となっては、すっかり考えられなくなってしまいましたけど。  そう、私の身体はもう、快楽を知ってしまった。心だけでなく、身体だって欲しい。あのときのようなセックスはもう、できません。  一度知ってしまったら。  知ってしまったらもう、戻れない。  私は、晃人だけでは満足できなくなっていました。

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