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再び・鷹取光輝02

 駅に着くなりいきなり土産物屋に寄り道し始めたので、このまま観光気分でいられたらどうしようかとひやひやした。すこんと抜ける青空に、春陽の声はよく響き渡った。  丁度田植えの季節なのか。水田に整然と並ぶ鮮やかな苗。自然と歩みがゆっくりになる。けれど新幹線でじっとしていた反動なのか、春陽はさっさと先に行こうとする。都会の喧騒を離れ、ほっと一息つきたくなる気持ちが分からんのか。いやむしろ、野に解き放たれた犬か。 「鷹取、どうしたんだよ、ぼーっとして」  空を映しこんでいる水田の美しさを味わっていたのに、ぼーっとしている、なんて心外だ。常にバタバタしているこいつには風流なんて分かりゃしないんだろう。さっきから行っては戻り、行っては戻りを繰り返している。よくそんな無駄に動けるな。本当に、フリスビーを投げたらくわえて戻ってくる犬みたいだ。  すると春陽はおもむろに、何か大発見をしたかのように光輝の傍に駆け戻ってくると、田んぼを指差しながら叫んだ。 「すげー鏡みたいできれーだよなー、ほらほら、雲が映ってる!」  無性に恥ずかしくなった。

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