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再び・鷹取光輝02
『本当、ごめん。俺、そういうのまったく分かってなかった……ごめん、これからは近寄らないようにするから』
「近寄らない……って、具体的にどうするんだよ。できるわけないだろ。ゼミも一緒なのに」
『だったらゼミやめるよ』
「は……」
『俺さあ、好きなひとには幸せになってほしいタイプなんだよ。ほら……アイドルの結婚、許せるか許せないかで言うなら許せちゃうタイプっていうか。俺がいることで鷹取が大変な思いをするなら、それは本意じゃないから』
何……
何急に真面目なこと言ってんだこいつ。
落ち着き始めていた息が、また上がってきてしまう。
違うだろうが。
お前はそういうこと言うキャラじゃないだろうが。
「分かってねえなあ!」
今までで一番大きな声で、叫んでいた。
「とっとと抱きに来いっつってんだよ!」
『へ……抱き……へ……っ?』
「俺をここまでにした責任を取れ、っつってんだよ! それができるのは今、お前しかいねーだろ! 今まで散々喚き散らしてたじゃねーか、つがいになりたいつがいになりたいって! なら……」
ワケ分かんねーだろ。俺だってワケ分かんねーよ。お前と出会って、こんなワケ分かんねえ自分になるだなんて想像していなかった。
「今すぐ、俺を、抱きに来い!」
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