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ONE DAY 4
鷹人が連れて行ったくれた中華料理屋は、ごく普通の店構えだったけれど、中に入るとかなり広い事がわかった。
夕食時だという事もあり、店内は混んでいたけれど、ちょうど食事を終えた人がいたので、すぐに席につく事が出来た。 奥の方には、宴会用の部屋もあるようで、賑やかな声が聞こえてきた。
「いらっしゃいませ」
店員の女性がそう言って、お茶とメニューを俺達の前に置いてくれた。
すると、しばらくメユーを眺めていた鷹人が、急に顔を上げて申し訳なさそうな顔をした。
「瞬、あの……ごめん」
「何だよ?」
俺は、中国語と日本語で書かれているメニューを目で追いながら、鷹人の方をチラッと見た。
「エビチリ、無いや」
「嘘? エビチリが無い中華料理屋なんて――」
「ごめん。そう言えば、エビチリって、中国のとは違うんだって聞いたことがある。この店、中国の人がやってて、日本人向けじゃないメニューもあるんだった」
「そうなんだ…」
「ホントごめん。でも、何でも、すっごい美味しいから」
鷹人の目が、俺の機嫌を伺うように上下に揺れていた。せっかく久しぶりにゆっくり食事が出来るんだし、無いものは仕方ない。大好きなエビチリは、また今度にすれば良いんだ。
「気にしなくて良いよ。エビチリは、また今度にすれば。で、どれがお進め?」
鷹人に聞きながら、お互いが食べたいものをいくつか選んで、その中から、とりあえず3品を注文した。
「これで足りる? なんか、もっと色々食べたいんだけど――」
「料理が来てから、考えた方が良いよ。俺、進藤に連れられて最初に来た時、食べきれないほど頼んじゃって、持ち帰ったことあるんだ」
鷹人が頭をかきながらそう言った。俺よりもいっぱい食べる鷹人がそう言うなら、控えめにしておかないといけないな。
「そうなんだ?!」
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