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ONE DAY 6
「シュ…澤井」
英明が俺に気づいて気まずそうな顔をした。
「や、久しぶり」
俺は、鷹人に動揺している姿を見られたくなくて、普通に振舞おうとした。
「……」
「何、クラス会でもやってるわけ?」
俺がそう聞いたのだけど、英明は固まったまま何も言えないでいた。その様子を見た、田上はさり気なく助け舟を出してくれて助かった。
「クラス会って言うんでもないかな? たまに集まってんだよ、あの頃の連中と。適当に声かけると何人か暇な奴が声かけあって、時々なんとなーく宴会してる感じ」
田上が人の良さそうな笑顔を向けた。田上が声をかけると、自然に皆が集まってくる、昔からそんな感じだったかもしれない。
「今度、澤井も来る? 女子がたくさん来るぜ、きっと」
この年で、女子っていうのも無いだろ? と思ったけれど、昔の仲間で集まると、気分は高校生って感じになるんだろうな…。
「サンキュ。何かあったら、実家に連絡しといて。時間があったら参加するよ」
「そうかー。お前、忙しいもんな。今度、色々話聞かせてよ。芸能界の裏話とかさ」
俺と田上が話している間、英明が俺の事を見つめているのがわかった。その場を動きもせず俺を見ている視線に、俺は息が詰まりそうだった。
「な、あっちに顔出す?」
田上の声に、俺は首を振った。
「でも、もしかしたら、飯食べ終わってから顔出すかも…」
俺はそう言って、2人に向って愛想笑いをした。作り笑いをしてしまうのは、職業病に近いものかもしれない。でも、この職業病が今回は大いに役立っていると思った。
英明と田上は店員にビールの注文をすると、奥の部屋に戻って行った。
「瞬、大丈夫?」
鷹人は絶対わかってる…英明の事。
「うん、大丈夫だよ」
そう答えたけれど、上手く笑えていなかったと思う。
それからすぐ、注文した料理がテーブルに並んだので、気持ちが切り替えられた。
鷹人が言った通り、ボリューム満点だし、そこらの高級中華料理の上品な味とは違い、俺の好みのしっかりめの味付けだった。
中でも俺は、最初に出できたイカの天ぷらがものすごく気に入って、それだけでかなり腹がふくれてしまった。 牛肉のカキソース炒めも、海鮮焼きそばもすごく美味しかった。今度来る時は、もっと大人数で来て、色々な料理を食べたいって思った。
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