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ONE DAY 12

 英明があの頃、俺の事を抱いてくれてたら、2人はどうなっていたんだろう?  鷹人に抱かれながら、そんな事を考えてしまった。 英明の全てを求める俺と、現実を見せられている英明。きっと俺の気持ちが英明の重荷になって、2人の関係は長く続かなかったに違いない。 鷹人に出会う為には、避けられない道だったんだろう。 「瞬、俺の事だけ考えて――」  耳元で囁かれて、体が燃えるように熱くなった。「お前の事しか、考えられないよ」 「嘘だよ、あいつに抱かれてたら…って考えてたでしょ?」 「…ごめん」 「ちょっと、謝らないでよ! ホントに考えてたんだ?」  鷹人が腰をグイグイ押し付けて、俺の感じるポイントを攻め立てた。 「あ…ダメだって、鷹人…」 「ダメじゃないでしょ? 他の奴の事なんて考えるからだよ!」  怒ったような声で鷹人がそう言って、俺のモノを握り締めた。両方からの刺激で、頭の中が真っ白になりそうだ。 「もう鷹人の…ことしか…かんがえない……あいしてる…」  初めて鷹人が、気を失うまで俺の事を、追いつめた。俺はホントに、鷹人の事しか考えられなかった。 「ごめんね…大丈夫?」  目を開けると、鷹人の心配そうな顔が、俺を覗き込んでいた。あぁ、幸せだ――。 「大丈夫だよ。すっごい、気持ち良かった。鷹人のことで、心も身体もいっぱいになったよ。俺、幸せだ」  両手を伸ばし、鷹人の顔をグイッと引き寄せた。 「はぁ、良かった。俺も幸せだよ」  鷹人が俺の唇にチュッと音をたててキスをした。 「なぁ、鷹人。明日、休みだから、もっといっぱいセックスしようぜ」  そう言った俺に、鷹人が笑いながら答えた。 「了解。いっぱいね」  押し付けられた下半身は、すでに、お互いを求めている事がはっきりわかる状態だった。 「一言いっておくけど」 「何? 鷹人」 「俺さ、瞬の事、2度と離さないよ? それでも良い?」  鷹人がそう言って、俺の事を見つめた。 「何それ。当たり前だろ?」 「本当に本気?」 「本当に本気。じゃ、俺も、一言いっておくよ」 「何さ」 「俺と英明が、もし、あの頃抱き合っていたとしても、俺と英明には未来は無かったって思うんだ」  色々な気持ちを込めて、そう言った。鷹人にどの位伝わるかわからなかったけれど。 英明が本当は俺の事をちゃんと愛してくれていた。その事がわかっただけで良いと思う。長い間悩んでしまった し、沢山の人を苦しませたかもしれない。でも、俺はもう英明を恨まない。今は鷹人が居るから。 「わかったよ」 「俺、本当に鷹人に会えて良かった」 「俺もだよ」  鷹人の首に腕を回し、キスを貪った。 いっぱいいっぱい抱き合って、明日は2人で寝て過ごすんだろうな。  神様、鷹人に会わせてくれて、ありがとう。俺は今とても幸せです。 それから…俺が幸せにしてあげられなかった人達が、今はみんな幸せでありますように――。 おわり。

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