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愛しい人と 7

 翌朝、鷹人のスマホの着信音で目が覚めた。鷹人の身体が離れ、慌ててサイドテーブルにあるスマホに手を伸ばしたことがわかった。 「はい。あぁ、父さん。おはよ…早いね…。え?」  寝惚けてボンヤリしていた鷹人の声が、急に焦ったような声に変った。 「うん…まぁ、ちょっと待って、まだ寝てるから」  鷹人が寝ている(と思っている)俺を気遣って、慌てて声を潜めた。 「どうしたの?」  起き上がりながら聞くと、鷹人が電話の通話口を押えながら、俺の方を向いた。 「あ…瞬、ごめん、起こしちゃったね」 「大丈夫だよ、起きてたから。何かあった?」  俺がそう聞くと、鷹人が困ったような顔をした。 「それがさ、父さんが今日、一緒に昼飯食べようって」 「それって、俺もって事?」 「うん…」  本当は鷹人と2人きりで過ごすつもりでいた。だけど、親父さんに認めてもらったからには、今後の事も真剣に考えていかなきゃならないし――。 「良いよ。もしかして、お父さんの恋人も一緒だったりする?」  多分そうだよな、一緒に来てるんだもんな。少し気後れしてしまうけど、きっと丁度いい機会なんだ。 「うん…でも、瞬、大丈夫?」 「大丈夫だよ。良い機会だから、鷹人の家族になる人にも、会っておくよ」 「…ありがとう」  それから鷹人は、会う場所と時間を決めて電話を切った。 「はぁ…。ごめんね、瞬。今日は買い物に行ってから、のんびりしようって言ってたのに…」  鷹人が残念そうに言った。 「いいよ、帰ってからゆっくりすれば」  俺は鷹人の身体に腕をまわし、キスをした。帰ってきたら、ゆっくりシヨウナ――。  疲れていた俺は甘い口付けを交わした後、再び眠ってしまったようで、目を覚ますとベッドに一人きりだった。  俺はベッドの横に置いてあった鷹人のパーカーを羽織り、ベッドルームを出た。 「鷹人、おはよう」 「おはよう、瞬」 「俺、又寝ちゃってたんだね。ごめんな」 「ん? 良いよ。俺、やりたい事あったし」 「そう。あ、所で、何時に出かける?」 「あと1時間位したら出るよ」 「了解」 「俺、さっき、軽く食べたんだけど、瞬も何か食べて行く?」 「うーん、良いや」  俺は洗面所に行き、顔を洗ってから、着替えをしにベッドルームに戻った。  グレーのニットに、黒のパンツ。こんな感じで、大丈夫だろうか? 「鷹人、これで良い?」  居間に行って鷹人に聞いてみた。 「え、あぁ、うん。カッコ良いよ」  鷹人が笑顔でそう言ってくれた。カッコ良いか…何だか照れるよね。

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