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愛しい人と 12

 高層ビルを後にした俺達は、お互いの買い物に付き合い、それから正月用の食べ物をを買って帰る事にした。  女の子とデートするみたいに手を繋いで歩けるわけじゃないけれど、男同士で歩いていても、友達と一緒にいる程度にしか思われないだろうから、周りを気にする必要もなくてすっごく楽しかった。 「最初はメチャメチャ驚いたけど、結果、鷹人の親父さんに会えて良かったよ」 「…そうだね。俺、瞬が来てると思わなかったから、一瞬どうごまかそう? って思った…」  『瞬がタオル一枚で玄関に飛び出してくるから…』って言って笑っていた。タオルを胸の所から巻いてたら、彼女なんだってゴマかせたのかな? とも思ったって。  ちょっと複雑な気持ちにもなったけれど、まぁ、これで良かったんだ。 「でも、親父にハッキリさせといて良かった」 「あぁ…そうだね」  そう返事をした後、自分の両親に鷹人のことを伝えられないでいる事が気になった。両親には、離婚を伝えた後、「もう孫の顔を見せられないと思う」ということだけは言ってあるのだけど――。 「なぁ、鷹人」 「何? 瞬」 「…ごめんな、うちの親には、まだしばらくは言えないと思うんだ…」 「いいよ、焦らずにやっていこう」 「うん…そうだな」    マンションに帰ると、鷹人は買ってきた食料を冷蔵庫にしまい始めた。俺はその間コーヒーを2人分入れた。  それから俺はコーヒーをサイドテーブルに置いて、ソファーに座ってテレビをつけた。鷹人が隣に座ったら俺は鷹人の体にべったり寄りかかる…。心の底から幸せだなって感じて、自然に笑顔になった。  俺達はしばらく寄り添いながら、のんびりとテレビを見ていた。 「そう言えば、鷹人、年賀状終わってないんだろ?」  今朝、やりかけで出かけたような気がする。年賀状が出来上がらないと、鷹人はゆっくりできないというか、俺とイチャイチャ出来ないんじゃないだろうか? 「え? あぁ、そうだった。まだ住所の見直しが終わってないんだ…」  ウトウトしかけていた鷹人が、思い出したようにそう言ってだるそうに身体を起こした。 「そっか。早く終わらせちゃったら? 夜はゆっくりしたいし…」  ゆっくりしたいの『したい』を強調するように言ってみた。まぁ、あえてそう言わなくても鷹人も同じ気持ちでいるはと思うけれど――。 「そうだね、じゃ、待っててくれる?」  鷹人が申し訳なさそうな顔をした。俺が「甘えた」なのをわかっているからな――。 「大丈夫だよ。俺も曲作りの宿題に出てるから、それやらなきゃなんだ」 「そうなんだ? 大変だね。じゃあ、テーブルで一緒にやろうよ」

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