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愛しい人と 16

 しばらくすると、風呂から上がった鷹人がベッドに入りこんできた。 「お待たせ、瞬。あ、紅白見てたんだ?」  つけっぱなしのテレビ…ホントは見てなかったんだ。 「え? まあね。大晦日らしいだろ?」  俺は見ていたふりをした。乙女チックに思い出に浸っていたことは秘密にしよう。 「俺は見たこと無かったんだよ」  鷹人がさらっと言った。 「え? マジで? そんな人いるんだ」  両親が必ず見ていたから、だいたいみんなそんなものだと思っていた。ずっと見ていなくても、少しぐらい見たことがありそうだけど――そう言えば、鷹人は音楽には興味がなかったんだっけ。 「そうだよ、そんな人だって居るんだよ」 「そっか。ま、どうでもいいや、消すよ。さぁ、やろう」  過去の事を思い出して、少し落ちていた気分を変えたいと思った俺は、急かすように鷹人の身体に手を回した。 「なんか、ムードないけど…」  鷹人が不満そうにそう言いながらテレビを消した。  俺は鷹人の言葉を遮り、啄ばむようにキスをした。そのうち、どちらからとも無く舌を絡み合わせた深いキス…。  キスしている途中、俺は薄目を開けて鷹人の顔を盗み見た。鷹人のキスしている時の顔がすごく好きだ。眉間にかすかにシワを寄せて、一生懸命キスをしている。 可愛いなって思う。でも、俺に言われるのは嫌だと思うから、言わない。俺だけの秘密なんだ。  鷹人とこうやって一緒に居られる、なんて幸せなんだ――。 長い間忘れていた気持ち、そして、辛かった頃は心に秘めてずっと言えなかった言葉を、小さな声で呟いてみた。 「愛してるよ、鷹人」 「え? 何」 「愛してるって言っただけ」  今なら何度でも言える。 「瞬? なんか考え事してたでしょ」 「え、わかった? ごめんごめん。せっかく、鷹人が頑張ってるのにね」 「そうだよ…」 「鷹人、大好き」 「愛してるよ、瞬」 「嬉しい、もう1回」 「愛してる…」 「ん…もっと…くれよ…」 「了解。瞬はここが好きだよね」  そう言ってから、鷹人が俺の胸に唇を落とした。それから舌で胸の先端を擽る。反対の胸も焦らすように指で刺激し続けた。 「ん……ヤバイ…」 「瞬、綺麗だよ」  鷹人が俺を強く抱きしめた。鷹人がすごく興奮しているのがわかって、俺も嬉しくなる。早く、触ってくれよ…俺の熱いのに…。 そう思ってるのに、鷹人は、ずっと胸を舐めまわしていた。確かに、そこも好きなんだけど…。俺は、我慢できず、鷹人の顔を両手で掴むと、痛い位に張りつめてる所に押し付けた。 「ここだってば、鷹人!」 「わぁ…わかったって…」  それから、鷹人の口の中で1回、繋がってから1回イッた。鷹人は俺の中で1回だけいったように思ったんだけど…。どうやら、風呂で抜いてきたらしい。久しぶりなのに、長かったわけだよ…。

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