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LONG WAY HOME 5

「他の荷物は明日届くんだけど、えっと、これお土産。ファンの子に沢山もらったんだ。でも、全部は持って帰れないから、とりあえず鷹人が気に入りそうな物だけ持ってきたよ」  悪気は全然無いと思う。俺の為に持って来てくれたっていうのもよく分かる。だけど、ファンからのプレゼントを、俺への土産にしてしまうのって…。プレゼントしてくれた人の気持ちを考えると、かなり複雑だ。 「何だよ? 鷹人、ほら、お前、明太子とか黒豚の味噌漬とか好きだろ?」 「え、まぁ、好きだけど・・・」 「俺、これ好きなんだ。チロリアンっていうの。鷹人は知ってる?」  可愛らしい絵のついた缶のふたを開け、小さな袋を1つ選ぶと、筒状のお菓子を袋からとりだして口の中に放り込んだ。 「え? 知らないなぁ」 「似たようなお菓子もあるけどさ、ここのは、やっぱり一味違うよね。食べてみる?」  瞬が小さな袋を破り、中にクリームの入っているクッキーのようなお菓子を俺の口元に押し込んだ。 「どう?」  サクッと噛むと、クッキーの中からコーヒークリームが出てきて、口の中にコーヒーの香りが広がった。 「あ、これ美味しいね」  本当に美味しいと思ってそういったのだけど――。 「ねぇ、何だかイマイチ嬉しそうじゃないね、鷹人?」  瞬が困ったような顔をして、俺のことを見つめていた。 「だってそれって、ファンの皆が、シュンの為にくれたものだろ? 俺が食ったら、恨まれそうな気がする」  色々と複雑な思いをしてるんだよって気持ちを、ホンの少し伝えたかった。 「何言ってるんだよ。俺がこうやって元気にファンの皆の前に出られるのって、鷹人がいてくれるおかげなんだよ。鷹人が俺のエネルギーの源なんだから」 「うーん、まぁ」 「だからな、ファンの皆からのプレゼントを鷹人にあげるとだね、最終的には俺のエネルギーになるわけだよ。だから、俺が食べても、鷹人が食べても・・・」  しばらく、瞬が自分の思いを語っていた。  うーん、そこには、深い意味があるのか無いのか・・・。 まあ、良いか、瞬は純粋に俺の為を思ってくれたんだよね。 「分かったよ、ありがとう、瞬」  そう言ってまだ話し続けそうな瞬を抱きしめた。俺は瞬がさっき見せた色っぽい表情を思い出し、下っ腹が熱くなってしまった。早くベッドに行きたい・・・。

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