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4話

『先程、死の直前にしか戻すことができない。 そう言いました。 ...ですが、本当はもう一つあるのです。』 「もう、ひとつ...?」 『それは、運命を紡ぎ過去の世界にあなたをおくることです...。 しかし、過去といっても私たちの力ではせいぜい《6年》が精一杯です...申し訳ありません。』 「6年前...」 6年前は...高校1年生になる前。 あの人に片想いしていた時... 戻っても、僕が近づかなければいいだけ... 好きにならなければいい...ただそれだけ。 『吉永様、あなたには選ぶ権利があります。 この選択はあなたの運命を大きく左右する でしょう... 死の直前に戻れば前のような幸せな日々が あるかもしれません。 過去に戻れば、あの頃の出来事も無くなって しまいます。 それでも、過去に戻りますか?』 「...っ..もう...あんな想いしたく ないんです...。 あの人を...これ以上...嫌いになりたくないんです...。 だから...僕をっ..過去におくってください...お願いします...。」 これが、僕の率直な気持ちだった。 直接、あなたから望まない答えが返ってきたら 僕はもう生きてはいけない... 大好きだったから、愛していたから...。 『...分かりました。 それから、あなたを過去に送る前に2つ約束 して欲しいことがあります... それは...1つ目は過去を大きく変えてはいけない。2つ目は過去の人にあなたの正体を明かしてはいけない。ということです。 この約束を守らなければ、他の人の運命を大きく変えてしまうでしょう...人生を変えてしまう危険もあります。 それに...明かしてしまえば、あなたの魂は 永遠にさまようことになるでしょう... この約束を守れますか?』 「...はい...」 どうせ、話す人なんていない... 『『『それでは...あなたの願い... この三女神モイライが聞き入れました。 この扉を開け、進みなさい。』』』 三女神さんたちが指す方を見ると、キラキラ と光輝く扉があった。 『『『さぁ、早く...』』』 「...はい。」 僕は扉を開け、一歩踏み出した... 『『『運命とは、良くも悪くも簡単には 振り払えないものです。 それをお忘れなきよう......』』』 三女神さんたちの最後の言葉を背に向けて.. 僕はまた、歩き出した...

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