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7話
2人で自転車を漕ぎ続けると...
一際目立つ門が見えた。
「ついた...」
「パンフで見るより遥かに大きいな...
あれ?今日は言わないのか?」
「何を?」
「「翔!何あれ!何あれ!!」っとか、「あの長い車は何?」とか?」
「中学生の時の話を持ってこないでよ!!
あの時は...驚いただけで...」
前の人生の僕はすごく驚いたよ...
僕たちがこれから通う学校は、
九条(くじょう)学園
世界の上位10%のお金持ちしか通うこと
のできない学校で、生徒の99%は有名な
財閥のご子息やご令嬢が通っている。
なのになんで、僕達が通えるかって?
それは、残りの《1%》の生徒である、
奨学生やスポーツ特待生だから。
翔はこれでも、将来有望のサッカー少年。
僕は...まぁ、人より少し勉強ができる。
あの人に追いつきたくて、いつも以上に
勉強したんだけどね...
「いや、おかしい。
なんか、俺より慣れてるみたい...」
なんでって、前の人生で3年もこの光景を
見てたらさすがに慣れるよ!なんて言える
訳もなく...
「そ、そうかな〜...。
...わーすごーい(棒読み)」
少し誤魔化して門をくぐった...
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