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9話

少し歩くとゲストルームに案内された。 ...ちなみにここは体育館である。 「じゃあ、ここに座って!」 「はい...」 「新入生君の流れなんだけど...で ...になるから...と...だから...」 長い足を組み椅子に座る姿は... どこかの国の王子様みたいだった。 6年前からずっと見てきたけど、この人の かっこ良さはあせないな... 少し幼く見えるのは6年という時の長さなのだとしみじみと感じてしまう... レオ先輩... 「以上が新入生君の流れなんだけど何か 質問はある?...?」 「.........」 「そんなじっと見られると恥ずかしいな...」 レオ先輩が、懐かしくてつい見すぎて しまった... 「え...あっ、すみません。... その、僕の...古い友人によく似てて...」 「俺が?」 「はい...あっいや!なんでもないです! 忘れてください...。」 僕は何言ってるんだ! 自分からばらすようなこと... 「あの...新入生代表挨拶って、辞退 することは可能ですか?」 話題を変えたくて、 僕は新入生代表挨拶の辞退をお願いした... 本当は最初に言えばよかったんだけどね。 つい、懐かしくなっちゃって... 「辞退?何か理由があるのかな? あるなら聞いてもいい?」 目立ちたくない。 あの人に...会いたくない。 なんて、言えるはずも無く... 「あ、いや!無理ならいいんです! ただ、...人前立つのが苦手で...」 少し苦しい言い訳だったかな... でも、人前に立ちたくないのは本心だし... そんなことを考えていると... 「じゃあ、俺が隣に立とうか?」 「・・・!!!」 あまりにもキラキラな笑顔で言うから ビックリして止まってしまった... そうだこの人はこういう人だった... すごく優しくて、前の人生でも何度も 助けてもらった... でも、今回ばかりは厄介だ... 隣に立たれる方がよっぽど目立ってしまう。 「あ!いや!やっぱり、大丈夫です!」 「でも、さっき苦手だって...」 「こ、克服するチャンスだと思って頑張ります!!なので、レオ先輩は座っててください! それじゃあ!」 「あ!行っちゃった... なんかすごく面白い子だったなー笑 でも、なんで...」 僕は一つ大きな間違いをしてしまったのかも しれない...

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